令和元年10月31日未明、日本国民にとっては、とても悲しいニュースが流れた。それは、沖縄県の世界遺産でもある首里城の全焼だ。赤く荘厳な雰囲気を醸し出す沖縄のシンボル、首里城。沖縄県民以外も多くの人が悲しみの声を寄せた。
火災の原因は、未だはっきりしたことが分かっていないが、多くの人が一刻も早い再建を願っているのは事実だ。首里城がなくなってしまったことは、もちろん悲しいが、沖縄の魅力は決して首里城だけではない。この記事では、首里城の謎に包まれた歴史と沖縄の魅力をたっぷりとご紹介したい。
世界遺産の首里城
世界遺産にも認定されている首里城は、沖縄県那覇市の首里金城町にあり、かつては海外貿易の拠点であった那覇港を見下ろす丘陵地にあった。首里城の創建年代は明らかになっておらず、他の歴史的建造物に比べ、謎が多いのが事実だ。
しかしながら、首里城の象徴ともされる朱色に塗られた建物と門構えは、立派であり、訪れる人を圧倒する。多くの人がこの美しさに魅了され、沖縄に来たら必ず訪れたい観光名所の一つになっていたのだ。
33年かけて再建が完成したばかり
4度の全焼を乗り越えて、再建してきた首里城。実は、4度目の第二次世界大戦のアメリカ軍による攻撃を受けた全焼から、おおよそ33年をかけて再建された首里城は、2019年の2月にようやく全てが復元し完成したばかりだった。
そこからわずか8ヶ月経っての全焼。長い年月をかけて再建して喜びに包まれていたのも、あっという間だったのだ。今回の火災では、正殿・北殿などを含む約7棟が焼失したとみられている。
絶対食べたい!沖縄料理
沖縄料理といって、皆さんは何が思い浮かぶだろうか?そうめんチャンプルー?ゴーヤ?ゆし豆腐?スパムおにぎり?沖縄旅行では、観光もそうだが、都内ではなかなかの食べることのできない沖縄料理を楽しみにしている人も多いのではないだろうか?
沖縄料理は、琉球料理とも呼ばれており、この場合は、琉球王朝時代の宮廷料理を指すことが多い。長く続くこの沖縄の伝統的な料理は、今年2019年には、日本遺産としても認定された。
見た目とのギャップ!
筆者が時にオススメしたいのは、このもずくの天ぷらだ。黒々しい見た目とは裏腹に、その食感はとても軽く、ふわっと口に広がる磯の味がなんとも絶品だ。沖縄以外では、基本もずくと言えばもずく酢として食べるのが、一般的だろう。
しかし、沖縄ではそのもずくを天ぷらのようなフリットにしてしまうのだ。場所によって、モチっとしていたり、衣の薄いところはサクッとしていたり、食感に飽きがこないのも特徴だ。お酒との相性も抜群で、ついつい食べ過ぎてしまうこと間違いないだろう。
薬のようなコーラ
海外では、当たり前のように飲まれているA&Wのルートビアだが、日本では沖縄県でしかこれを飲むことができない。そもそもA&Wの店舗が沖縄にしかないのだ。試したことがある人にはわかるだろうが、ルートビアの味はかなり好き嫌いが別れる味である。
人によっては、薬のような強い匂いで飲むことができないという。ちなみに筆者の感想は、湿布味の炭酸といったところだろうか?沖縄でしか飲むことができないこのルートビア一度は試してみる価値があるだろう。
出火の原因は?放火?
多くの人が気になるだろう事実は、首里城全焼の出火原因である。出荷元は、正殿の内部とみられているが、その原因ははっきりと分かっていないのが現状だ。しかし、ガソリンや油などの形跡がないことから、放火の可能性は低いとのことである。
最も可能性が高いとされているのは、ノートルダム大聖堂と同じ、電気系統からの出火である。その当時は、首里城祭という催し物が行われおり、そのイベントで用意した電気系統がショートし、発火したのではないかとも言われている。
愛を誓うハート・ロック
カップルや新婚夫婦に人気の、古宇利島のハートロック。美ら海水族館からは、車で約20分ほどで、アクセスすることができる。この古宇利島は、人類の先祖である男女が住んでいたと言うアダムとイブに似た伝説が残ることから、別名”恋島”とも呼ばれている。
伝説が残る浜辺の近くには、長年の波の浸食により、自然にハート形に削られた岩がある。青く透き通った海に、白い砂浜は、まさに恋人たちにとっては絶好の観光スポットと言えるだろう。ここで、愛を誓い合ってはどうだろうか?
デマやいたずら
東日本大震災の時でもそうだったが、何か大きな事件が起こると、そこに便乗して悪知恵を働く人たちがいる。今回のこの首里城の火災でも、火災の原因が、根拠もない放火であるとツイートする人たちがいたり、動画では、「自分が放火した」などと、デマを流した人もいた。
また、再建への募金活動による詐欺が発生したりと、悲しい事件なのにも関わらず、この機会を利用して、どうにか話題性やお金を稼ごうとしている人がいるのは、なんともやるせなく、憤慨すべき事実だろう。
アットホームな平和通り
地元の人も多くが賑わう平和通りは、沖縄に来たら一度は通ってみて欲しい商店街だ。国際通りから分岐されている、その昔ながらのアーケード街は、お土産屋や衣料品店、居酒屋などが立ち並ぶ。
南国フルーツをその場で食べることのできる青果店や、都内では見ることのできないトロピカルなお魚。お土産をみながら食べ歩きできるのも、この商店街の魅力だ。都会とは違うレトロな雰囲気をぜひ、堪能したい。
歯がなくても大丈夫?絶品ラフテー
沖縄料理のラフテーとは、豚の塊肉を黒砂糖・醤油・泡盛で長時間煮たものだ。ラフテーの特徴は、沖縄の銘酒、泡盛で煮ることである。泡盛は、お米と黒麹から作られる焼酎だ。日本酒と比べて、アルコール度数が20〜50と高いこのお酒は、お肉を柔らかくするのにぴったりなのだ。
見た目は脂身が多く、こってりとしているように見えるが、鰹出汁や黒糖を使った沖縄ならではのその味付けは、食べてみると意外にあっさりとしており、ついつい口に運んでしまうのが事実だ。泡盛と一緒にいただきたい。
心温まるソーキそば
沖縄にいったら必ず食べたい!という大ファンも続出するほど、ソーキそばは人気の沖縄料の一つだ。ソーキとは、沖縄で豚のスペアリブのことを指す。一般的には、この甘辛く似たソーキに紅生姜やネギがのったものがソーキそばと呼ばれる。
ソーキそばは、沖縄そばの一種であり、きしめんによく似た弾力のある太めの麺で、スープは塩ベースの透明なスープであることが特徴だ。沖縄では、お店によってそれぞれアレンジされているので、食べ比べするのも良いだろう。また、ゆし豆腐がのったゆし豆腐そば、豚足の煮込みがのったてびちそばなどの他の沖縄そばも試したい。
首里城が燃えたのは今回が初めてではない?
沖縄県民だけでなく、日本国民をも哀しませた首里城の全焼というショッキングなニュース。しかし、残念なことに首里城が燃えたのは、今回が初めてではないのだ。そう、過去に4回も燃えており、その度に再建が行われてきたのだ。
自然発火なのか、事故や事件が関係しているのかは不明であるが、どうやら首里城は燃えやすい性質を持った建造物のようだ。それは、木造建築であるのはもちろんのこと、桐油が赤い塗装に使われているということが、大きな原因なのだ。
再建にかかる期間
既に首里城再建のクラウドファンディングでは、2億円もの資金が集まったと言われている。それほどまでに、日本国民がこの首里城を大切にしており、再建を強く願っていることが伺える。
しかし、現段階では具体的に何年かかるのか、いつまで行われるのかはかなりの未知数であるのが事実だ。過去の再建でも、11年かかったり、6年かかったりとその時の体制や進度によって、まちまちなのだ。今の所、最短で3年では再建が可能なのではと予測されている。
もこもこふわふわ!ぶくぶく茶
沖縄は特に、昔から多くの人がお茶を飲むことを習慣としている。さんぴん茶やゴーヤ茶などは、多くの人が沖縄の名茶として聞いたことがあるのではないだろうか?しかし、”ぶくぶく茶”は聞いたことがない人も多いだろう。
もこもこした可愛いこの見た目は、かき氷などではなく、炒った米を水で煮た煮汁と、2種類のお茶(さんぴん茶と番茶)を混ぜたお茶である。この泡立ちは、硬水の湧き水でしか起こらないのが特徴だ。とっても可愛らしい。
濃厚プリン?いえ、豆腐です
この見た目、まるで白いプリンにカラメルソースがかかっているように見えるだろう。しかし、これはピーナッツを使った豆腐なのだ。絹どうふとも木綿豆腐とも違うそのモチっとした食感のジーマミー(琉球語で落花生)豆腐は、女性に大人気の一品だ。
豆腐と呼ばれているが、実際には原料となる大豆は入っていない。ピーナッツの絞り汁に、芋くずを加えて作られている。出汁タレや醤油を使って食べるのが一般的だが、砂糖や黒蜜をかけて食べるもツウなようだ。
首里城をモチーフにしたお菓子殿
しばらくの間は、残念ながら首里城の正門を見ることができないが、それでも沖縄にきたら、首里城にきた気分を味わえる場所は、多々ある。このお菓子殿は、首里城をモチーフに作られた建物の一つだ。
店構えはもちろんのこと、店内も朱色で統一されているのだ。天井にも龍が描かれるなど、随所に沖縄の琉球王朝の文化を感じることができる。また、琉球ガラスや泡盛などのお土産も購入することができるので、首里城を見ることができなくてもがっかりしないで沖縄に足を運んでほしい。
首里城の修復にはいくらかかるのか
首里城は、過去に4度の全焼経験があるが、その多くは戦前であり、正確な情報を得ることは出来ない。しかし、1945年の全焼では、1986年〜2018年度までの33年間で、総事業費は約240億円以上だったと琉球新報が報じている。
首里城は、世界遺産ともなった国営の公園であるため、すぐにも政府で予算を捻出するとされているが、オリンピックも差し迫った今、その金額がどれくらいになるのかは、未だ公にはされていない。
あのお札にも首里城が
二千円札は、沖縄サミットと2000年になったこときっかけとして発行されたお札である。現在は、製造が中止されているため、なかなか見ることのなくなった珍しいお札ではあるが、2019年の今でもこのお札は有効である。そんな二千円札のシンボルとなったのが、首里城の守礼門である。
お札の表面には、左斜めから捉えられた姿が、そして透かしには、また違った角度から捉えられた守礼門が映し出されている。公表された表面のデザインが人物でないことや、それまでになかった最新の偽造防止技術が多数採用されていることなどにより、発行前から注目を浴びていた。
壮大なスケールの海の生き物たち
全国には、様々な水族館があるにも関わらず、それでも沖縄の美ら海水族館を求めてやって来る人たちは、あとを絶たない。それには、日本一の水槽の大きさと生き物たちが開放的に浮遊できる空間にあるだろう。
色とりどりの魚たちに、迫力満点の哺乳類動物。美ら海水族館は、決して水族館などではなく、私たちが海の世界にお邪魔したような感覚に陥り、アートとも取れるような芸術作品であることは間違いない。
沖縄の守り神
沖縄の守り神としても有名なシーサー。このシーサーは、獅子を方言で呼んだもの。実は、このシーサーを置くことになったきっかけは、その昔、火事が多発して人々が困っていた時に、風水師が「獅子の像を作って山に向けて置くといい」と言われたことがきっかけと言われている。
シーサーを置くきっかけも、実は火事が関係していたことに驚きだ。シーサーには、オスとメスがいることを忘れてはならない。場所によっては、逆をいうところもあるようだが、基本的には、口が開いているがオス、閉じているのがメスと言われている。