多くの人は、アメリカ国内においてコヨーテの数が増えていることあまり気づいていません。コヨーテは、かなり狂暴なので、当然、ワクワクするようなニュースではないのは確かです。これは、ある日、動物愛護協会に勤務する、サラ・ネイスさんとニコル・アッシャーさんが、ニューヨーク州のキングストンで野生のコヨーテに囲まれた捨て犬を目撃した話です。しかし、この状況には、驚きの真実が隠されていたのです。それでは、コヨーテの群れに囲まれていたこの野良犬に起こった驚きの出来事をご紹介していきましょう。
問題を目にしたサラ・ネイス
ロスト・ペット・オブ・ハドソン・バレーに勤務しているネイスさんは、自分の居住地域のコヨーテの数が増加していることに気づいていました。ある時、ネイスさんはニューヨークのキングストン周辺に野良犬が走り回っていることに気が付きます。
コヨーテの群れがうろついているという潜在的な脅威を考えれば誰もがそうなるように、ネイスさんはイヌの安全を心配しました。ネイスさんは、犬をつかまえて安全を確保できる動物シェルターに連れていくべきだろうと考えます。
面白い関連
ネイスさんは、このイヌに安全な家で飼ってくれるフレンドリーな家庭を見つけてあげたかっただけなのです。しかしネイスさんは、この野良犬がそれほど「捨てられている」わけではないことに気づきました。このイヌは、野生のコヨーテの群れの一員だったのです!ネイスさんは、地元のドッグシェルターに連絡し助けを求めます。
電話に応じたのは、ブッダ・ドッグ・レスキューのニコル・アッシャーさん。2人はニューヨークの森でこのイヌを探し出し、コヨーテから救出する方法を協議しました。
状況を分析
イヌがコヨーテと仲良くなるいうのは、よく起こるような出来事ではありません。そのため、アッシャーさんは状況を観察する必要がありました。何が起こっているのか、的確に理解する必要があったのです。
「このイヌは、コヨーテと遊んだり、駆けまわったりしている姿が頻繁に目撃されていました」と、アッシャーさんはインタビューで答えています。「どのようにして仲間になったのかは、分かりません。本当に検討が付かないんです」。さらに、コヨーテたちはこのイヌが気に入っているようです。
自然界では起こるものの、実際には稀
犬がコヨーテの群れに馴染むいうことは、よくある出来事ではありません。野生の犬は長生きしますが、飼い犬は自分自身だけで生き延びる術をあまり熟知していません。しかし、不可能ではありせん。
「確かに聞いたことはあったわ」と、アッシャーさんは答えます。「コヨーテと犬の混合種である、コイドッグというものが存在します。これは、イヌとコヨーテが交配した場合に起こります。ただ、実際に見ることはほとんどないですけどね。犬がコヨーテと戯れている姿というのは」。コヨーテが受け入れを拒否する理由なら、みなさんも思いつくのではないでしょうか?
コヨーテは疑り深い
コヨーテが温かく迎え入れてくれるとは、思わない方が身のためです。イヌと同じような特徴がいくつかあり、同じような音を発します。しかし、コヨーテは見た目以上に獰猛です。また、コヨーテは簡単に信頼したり受け入れたりもしません。
コヨーテは人間や大型犬を見ただけで動揺します。そのため、距離を置くことを好むのです。この野良犬は、群れに入れてもらえるくらいのかなり良い第一印象をコヨーテに残したのではないでしょうか。
適切な判断をする
野良犬は、うまくコヨーテたちの中に適応したかもしれません。しかし、専門家たちはまだ確信できませんでした。ブッダ・ドッグ・レスキュー&リカバリーの面々は、この野良犬にコヨーテのような傾向を見ますが、長期的に見れば異なる環境の方が犬にとっては良いのではと考えます。
庭のある家、決まった時間に出るご飯、お腹をなでなでしてもらうこと。これがこのイヌのためにブッダ・ドッグ・レスキュー&リカバリーが掲げたゴールです。そのため、アッシャーさんはこのイヌの捕獲を試みました。さて、成功したのでしょうか?
計画を実行
コヨーテと走り回る犬を、どのように捕獲したらよいでしょうか?『ルーニー・テューンズ』のようなアニメの世界ではないので、アッシャーさんには適切な計画を練る必要がありました。この野良犬を安全に捕まえるのは、簡単なことではありません。
「はじめにすべきことは、このイヌを特定の場所に何度も来させることでした」と、アッシャーさんは説明します。「エサやりステーションを設置して、トレイルカメラで観察したんです」。最終的に、この野良犬が現れて、エサを食べるようになりました。しかし、コヨーテの群れからどうやってこのイヌを隔離すればよいでしょうか?
トラップ設置
すぐに、イヌは食料のある場所を学び、頻繁に訪れるようになりました。アッシャーさんは、疑いのかけらもないこの野良犬をつかまえるための罠を仕掛ける時だ、と考えます。
2日もしないうちに、このイヌはケージの中にまんまと歩いていきました。アッシャーさんはもっと難しくなると予測していましたが、実際には簡単に捕獲することができたのです。「罠にかけるのはそこそこ簡単だったの」と、アッシャーさんは話します。他の捕獲作戦全部がこれだけ簡単だったらなぁ、とアッシャーさんは思ったに違いありません。
普通の生活に犬を戻す
イヌの捕獲後、アッシャーさんはイヌに名前を付けてあげました。『ルーニー・テューンズ』のことが頭にあったのでしょう。ロード・ランナーをひたすら捕まえようとするクレイジーなコヨーテにちなんで、「ワイリー」と名付けました。
ワイリーの新しい生活と治療のため、アッシャーさんはニュージャージー州のオークランドにある「ラマポー・ベルゲン・アニマル・レフュジー」を訪れます。ワイリーはかなり長い間コヨーテと過ごしていたため、助けが必要だったのです。回復のための道は、始まったばかりです。
衝撃の結果
どうやら、ワイリーはかなり悲惨な状況だったようです。クルーは全身のダニを取り除いて、お風呂に入れてあげました。キレイになったら、次はテストの時間です。
残念ながら、ワイリーにはかなりの病気を持っていました。ワイリーはライム病とアナプラズマ病と診断されます。アナプラズマ病によって心臓に影響があり、貧血状態になっていました。どちらの病気の症状も重症化していたため、すぐに行動をとる必要があります。
最高のタイミング
すべてのことには理由がある、とはよく言いますよね。この場合、ネイスがアッシャーさんに助けを求めて電話をしていなかったら、ワイリーはかなり危険な状態になっていたかもしれません。
救助隊チームがワイリーを救出したことには大きな意味があります。ワイリーはかなりの抗生物質を投与され、たくさんの愛情を注がれました。ライム病の症状には、疲労感、発疹、頭痛などがあります。コヨーテたちはワイリーを受け入れたかもしれませんが、救急隊のようにワイリーを助けることはできなかったでしょう。
元の家を見つける
ワイリーがきちんとした治療を受けたのち、次のミッションが始まりました。コヨーテたちはワイリーの本当の「家」とは呼べません。そのため、救出者たちはワイリーが家と呼べるような場所を探すことにしたのです。
飼い犬であればマイクロチップが埋め込まれている可能性もあるため確認してみたものの、ワイリーの体には埋め込まれていないようです。次に、迷子犬の問い合わせを確認しましたが、それでも見つかりません。最後のチャンスは、特定に至るようなものがあるかという点でしたが、それも徒労に終わります。
アッシャーさんの考え
ワイリーに飼い主がいたかどうかを確認するため、チームはかなりの努力をしてきました。疲労感と無力を感じるまで頑張ったものの、どうやら新しい家庭を見つけてあげるしかないようです。
「ワイリーが誰かの迷子のイヌなのかわかりません。ネットで調べて、地元の団体に電話で問い合わせています」と話すアッシャーさん。「ワイリーの説明に合う迷子のイヌの報告は存在しないんです。元々野良犬なのか、捨てられたのだと思います」
湧き上がる大きな疑問
テストや適切な家探しの後、深刻な疑問の答えを明らかにしていかなければいけません。はじめに、チームはワイリーに関して少し調べることにしました。
おそらく、ワイリーは2歳ほどであると思われます。次に、チームはワイリーが18ヶ月ほど野良犬として生活していたと推測しました。疑問の一つは、ワイリーが「普通の」イヌになることができるか、ということです。野生生活の影響を受けすぎている、という可能性はあるのでしょうか?
正しい道へ
幸運にも、ワイリーはなかなかの戦士だということがわかりました。不利な状況でしたが、ワイリーは戦い続け、新しい飼い主の元へ行っても問題ないほどに健康になったのです。
アッシャーさんは、ワイリーを高く評価しています。「すぐに元気になると思います。とってもいい子なんです。私に寄りかかって、キスをしてくるんですよ。レスキューされた犬の多くは、かなり感謝の意を感じています。『すっごく野生的に振舞うんでしょ』という人はいますが、実際そんなことはありません」
でっかいマシュマロ
ワイリーが回復するまでにそれほどの時間はかかりませんでした。長く野生で生活していたため、かなりのショックではあったでしょう。しかし、元コヨーテ軍のメンバーのワイリーは、とっても優しい犬だということがわかります。
ボランティアのフラニー・ロウリータさんは、ワイリーに「ビッグ・マシュマロ(大きなマシュマロ)」というあだ名を付けました。彼女によれば、ワイリーはいつも自分のおもちゃで1日中遊んでいるそうです。なでなでされる次におもちゃが大好きなんです!
生まれつき
コヨーテの群れに馴染んでいたイヌとして、ワイリーが人間の家族と仲良くするのは難しいと思いますか?答えは、「ノー」です。これは、シェルターのみんなの意見でもあります。
このような若いイヌにしては、ワイリーはたくさんの経験をしてきました。しかし、彼の人生はこれから。コヨーテはある意味でワイリーの助けになったと言えるでしょう。ところで、このコヨーテたちはどうなったのでしょうか?
コヨーテは森で自由
コヨーテはどこへ行ってしまったのか、と思われている方もいるでしょう。彼らはまだキングストンで自由に生活中。コヨーテが野生で数を増やしている一方、ワイリーは誰かの親友になるための準備をしてしています。
ワイリーが野生の群れの仲間になったことは驚きですが、これほどにまでよく回復したのは素晴らしいことです。まるでありがとうと言っているかのように、ワイリーは助けてくれた人をぺろぺろ舐めて「感謝」を振りまいています。
コヨーテの脅威
数年が経ち、コヨーテの人口は増加し広がっています。コヨーテにとってはいいことですが、野生ではない動物や彼らの近くに住む家庭への影響が出続けています。
コヨーテは、ぱっと見イヌのように見えることもあります。イヌと見間違えてしまった場合、どんな危険があるのでしょうか?害のないイヌだと思い込んで、実は鋭い歯を持った危険な動物であるということもあり得るわけです。この状況のお陰で、人間の親友であるイヌが今この瞬間もトラブルに巻き込まれているかもしれません。
飼い主の皆さん、お気を付けて
数が増えるほど、食べ物を求めてより多くのコヨーテが街に現れます。これはコヨーテのせいではありません。彼らは、ただ単に生き延びようとしているだけなのです。しかし、人間はこれによって引き起こされる脅威に気づいているはずです。
ペットを飼っている方は、不安を抱えている人達のひとりでしょう。自分のイヌにもしものことが会ったら嫌ですよね。ネコであっても、コヨーテたちに虐げられるリスクがあります。
親を亡くして恐怖におびえるこの子ザル
ジンバブエの道路の脇で発見された赤ちゃんのベルベットモンキーの先行きは、なかなか残酷なものでした。優しい人達に発見され、近くの動物保護施設に連れて行かれた際、赤ちゃんザルは死んだ母ザルにしがみ付いていたのです。この保護施設には同じようなサルを抱えておらず、今の彼を作り上げたのは全て人間の友達のお陰です!
子ザルの名前は、ホラスといいます。このベルベットモンキーは現在アフリカのジンバブエのトゥワラ・トラスト・アニマル・サンクチュアリに住んでいます。悲劇的な事故により母親を失い、赤ちゃんの頃にここへ連れて来られました。
「この子の母親は、混雑した高速道路で車に引かれたんです。道路わきの母親の亡骸の上に座っているところを発見されました。彼をここに連れてきてくれた優しい人に拾ってもらってラッキーでしたよ」と、保護施設の創設者であるサラ・カーターさんは2016年に『ドゥドゥ』に話しています。
優しい人間の手の中でおずおずする赤ちゃんザル
ホラスはトゥワラ・トラスト・アニマル・サンクチュアリに連れて来られた際、無力な赤ん坊でした。この小さなサルは、初め新しい環境に恐怖を抱いていたものの、適切な場所へ連れて来られたことは幸いです。
トゥワラでは、助けを必要とする野生の動物たちのために安全な避難所を提供しています。そのため、この場所はネコ、イヌ、ライオン、レイヨウなどの様々な動物の家となっています。このような場所でうまくやっていくことは難しいと思うかもしれませんが、実際の様子を見てみなさん驚かされるはずです…
ホラスが慣れるように助けてくれたのは予想外の動物たち
幼いベルベットモンキーのホラスによって、同じ空間に異なる動物がいるという環境は恐ろしいものだったかもしれません。幸いにもこの場所の動物たちは、ホラスを温かく迎えてくれました。
「当時たくさんの孤児を抱えていて、人手が足りなく、みんなを一緒に育てなくてはいけなかったんです。みんなの間に友情が芽生えました。素晴らしいことです」と話す、カーターさん。新しいルームメイトたちと仲良くなれるかは、ホラス自身にかかっていました。そして、ホラスとお友達になりたかったのはネコだけではありません。
時間がかかったものの最終的に慣れていったホラス
トゥワラで育つうちに、ホラスは新しい友だちに馴染んでいきました。このような保護施設には様々な野生・室内飼い動物がいます。しかし、初めにホラスに興味を抱いたのはカワイイ子ネコでした。
もしかして、サイズ的にも同じくらいであまり怖くなかったのかもしれません。それに、子ネコを怖がる人なんていませんよね?!しかし、ホラスはすぐに、メンバーとして受け入れてくれた保護施設の古いメンバーとも打ち解けていきます。
ネコたちと特別な絆を形成したホラス
すぐに、新しいネコ友達と肩を寄せ合うほどに心を許すようになったホラス。成長していく中で共に時間を過ごし、このネコたちとは特別な関係を築いていきました。
人間のケアテイカーだけでなく、このネコたちも「自分たちがホラスを気にかけてあげないと」、と思ったのかもしれません。たくさんの人がネコは「気難しい動物」だと思っていますが、写真を見ると、ネコだってオープンで愛情をたっぷり注ぐことができるということがわかります。特に、他の動物にはそうなんですよ!
ホラスに慣れ始めていった他の動物たち
すぐに、ホラスはトゥワラの他の動物たちとも友達になっていきました。最も仲がいいのは、何匹かいる犬の1匹のケイコです。
トゥワラは、捨てられたり虐待を受けたりした様々な動物の家です。サラ・カーターさんと彼女のチームは、野生では生き延びることができなかったであろう動物たちのために、安全な養育環境を提供しようと、日々努力しています。それでは、思わず皆さんを笑顔にする、ホラスの普段の様子をご紹介しましょう!
とあることで有名になったホラス
成長していくうちに、お昼寝で有名(?)になったホラス。特にネコのお友達と身を寄せ合っている時は、どこででも眠ってしまう傾向にあります。守られているように感じさせてくれる誰かが傍にいるという安心感からでしょうか?
「ホラスは居眠りマスターなんです。何か見逃したらヤダと思って頑張って眠気と戦うんですよ…でも、寝るのは大好きで、好きなところならどこででも寝れます」と、2015年、カーターさんは『デイリー・メール』に話しています。
実写版おさるのジョージ?!
ホラスは、トゥワラの居住者であるヘラジカとも友達になりました。ホラスはちょっと面倒なところがありますが、ヘラジカはこれがホラスの遊び心溢れる好奇心旺盛な性質であるということを理解しているのです。
「トゥワラの多様で愛情あふれる環境で育てられ、自信のある愛情で溢れた子に育っています」と、カーターさんは話します。「人間、動物問わずたくさんの友達がいて、1人でいることがほぼないんです。いらずらっ子で、とっても賢くて、いつも楽しませてくれます」
自分には手に入らないものが欲しくなるホラス
「悪い癖といえば、食べてはいけないもの、行ってはいけない場所、触ってはいけない場所にどうしても惹かれてしまうというところです」と、カーターさんは『デイリー・メール』に話します。
ホラスはちょっとした食料泥棒。この写真が撮影されたのはおやつの時間です。動物たちは食べ物を共有して、大抵は天然のフルーツや野菜などの健康な食事をします。ホラスは、他の種類の動物たちとも時間を過ごすようになってきました!
見た目よりもおてんばなホラス
こちらは、ホラスとネコのフレディです。ホラスはフレディに寄りかかってお昼寝しています。カーターさんは、これはホラスの策略かもしれないと思っているようです。
カーターさんは『デイリー・メール』に次のように話しています。「ホラスはいつも笑わせてくれます。熟練のどろぼうなんです。忙しくしているふりをして近づいてきて、ペン、紙、食べ物なんかを持っていってしまいます。モノを盗むために気を逸らさせようと、人間や動物にハグしてきたりもしますよ」
すべてのものに興味を示すホラス
「どうしようもないくらい好奇心旺盛なんです。すべてに関して。私が書き物をしていたり、タイピングしたりするときに近くに来て、取りつかれたように観察するんです。それも、ペンを盗んだり、キーボードの上に飛び乗ったりするまでですけどね」と、カーターさんは話します。
保護施設の他の動物は、全く気にならないようです。何なら、ホラスの好奇心を解放させることに満足しているくらいです。トゥワラでは、動物の勘が悪い方向に働くことなく、驚くほどうまく共存しています。これもすべて、動物たちが育てられてきた養育環境のお陰です。
夜、ネコと一緒に動き回るのが好きなホラス
ホラスは、友だちの性格からも影響を受けています。ベルベットモンキーであるホラスですが、時にはネコのように振舞います。
「夜中に暗闇の中をネコと走り回るんです。元々の習性として、他のサルは暗くなるとすぐ眠ってしまいます。でも、ホラスは夜10時に元気に庭を走り回るんです。それが、この子の性格なんですよね」と、カーターさんは『ドゥドゥ』に話します。この変わった友情がうまくいく秘訣は何でしょうか?
自分は仲間内の中で王子様だと思っているホラス
お眠のサルであるホラスは、自分で歩く気さえない時があります。しかし、問題ありません!保護施設のどこへでも、イヌのケイコが喜んで運んでくれます。
ホラスは大人へと成長していっていますが、それでも行動は赤ちゃんそのもの。写真ではちょっと嫌そうにしているようなイヌやネコのお友達も、ホラスのことを赤ちゃんか自分の兄弟のように扱ってくれます。
走り回っていない時は人生の複雑さに思いをはせるホラス
ホラスは自分らしい性格を形成していっています。保護施設で育つことは野生で育つこととは異なりますが、だからこそホラスは特別な存在へと成長していっているのです。
「この子は考える子なんです。座り込んで遠くに目をやって、手元で葉っぱや花や棒を回して、完全に自分の考えに耽るんですよ」と、カーターさんは『デイリー・メール』に話しています。ホラスは一体どんなことを考えているんですかね!
お互いを助け合うホラスとその仲間たち
ホラスと仲間の動物たちは、発見されトゥワラまで連れて来られて幸運でした。このような様々な住人のいる場所でなければ叶わなかったであろう、強固な支援システムの中で成長しているのです。
ホラスの本質に反しているという意見の人もいるかもしれませんが、カーターさんはそうは思っていません。「ここでは、ホラスには友達がいて安全です。動物や人間、保護施設みんなのバックアップがあるんです」と『ドゥドゥ』に話しています。悲劇的な事故の後保護されたホラスには、特に当てはまるのではないでしょうか。
異なる動物とつるむことには癒しの効果が
フレディは、ご覧いただけるようにホラスのお気に入りのハグ仲間です。動物たちは異なる種類であるものの、サラ・カーターさんの保護施設は、すべての動物が共感する力を共有していることを証明しています。
「たくさんの孤児の動物が連れて来られます。だから、同じ動物同士でペアを組ませることは必ずしも可能ではないのです。でも彼らにとっては、別の動物でも一緒にいれるということで、どんなに異なっていても癒されて安心感を得られます」と、カーターさんは話します。
新しい赤ちゃんベルベットモンキーが加わって責任感が出てきたホラス
トゥワラ・トラスト・アニマル・サンクチュアリは、可能であれば同じ動物とペアを組ませるようにしています。そのため、別のベルベットモンキーが加わった際、スタッフはホラスと組ませることにしたのです!
ホラスは成長し、保護施設にやってくる新しい動物たちのお世話をしています。この小さなサルはハミッシュといって、ホラスのように親がいません。自分の幼いころを思い起こさせるハミッシュに、ホラスは特別なつながりを感じたようです。
ハミッシュに寄り添うことの安心感を教えたホラス
成長するなかで、ハミッシュはホラスにべったりでした。もちろん、ホラスも喜んで安心感を提供します。しかし、ホラス自身だって安心感を感じたい時はあります。
「ホラスは、様々な種類の生き物がお互いに慰めを与えることができるということを示した」、とカーターさんは『ドゥドゥ』に話しています。「私たちはホラスから学びました。この子たちは素晴らしい絆を形成したんです。それによって、みんなにかなりの安心感を生み出しています」
腕を失ったホラス
ホラスは大人ではあるものの、だからといってトラブルに見舞われないというわけではありません。2016年、ホラスが送電線から深刻な電気ショックを受けたという衝撃のニュースをトゥワラが発表します。
「意識不明で発見されて、両手にひどいやけどを負っていました。これだけの衝撃を生き延びたのは奇跡です…ホラスはずっと自由に生きてきましたが…私たちは現実世界で動物たちが直面する危険からは守ってあげることはできないのです」(フェイスブックの投稿より)
野生に戻れるが戻らない?
生き延びたものの、獣医はホラスの腕を切断しなくてはいけませんでした。しかし、それでもホラスは元気です。回復後は、保護施設の生活に戻っていきました。
「ホラスは好きな所へ自由に行くことが許されています。外に出ていくこともできます。ホラスは、自分で残ることを決めたんです…本当にここで最高の人生を送っているんですよ」と『ドゥドゥ』に話すカーターさん。ホラスは大人になり健康です。保護施設はホラスを留まらせようとしているわけではありません。ホラスには、この場所を去る理由がないんです!