シャワーの浴び方に「正しい」または「間違った」方法などがあるのだろうか?皮膚科医らは、シャワー中によく行われているものの、健康には良くない習慣について警告している。このような間違ったシャワーの浴び方、習慣によって肌が乾燥したり、髪にダメージを受けたり、感染症にかかるリスクが高くなったりするという。
たとえば、シャワー室に体を洗うスポンジやタオルを置いたままにするなど、毎日の習慣にまつわる健康上の懸念事項などが挙げられる。長いシャワーが好きな人には特に、今回ご紹介する記事をぜひ読んでいただきたい。
洗顔するのにピッタリな場所ではない
シャワーを浴びるときに顔も洗ってしまえば、時間の節約にはなるだろう。だが、皮膚科医の多くは、これは良くない習慣だと指摘している。つまり、シャワー温度が高く水圧が高い上、水量も多いのが問題なのだとか。皮膚科医のハドリー・キングによると、顔の皮膚は長いこと水に浸かっていると乾燥してしまうという。そう、顔の皮膚は体の皮膚と比べても、敏感なのだ。
その上、たいていシャワーのお湯は温度が高くて、肌には少し刺激が強すぎる。熱すぎるお湯は血管を拡張させたり、最悪の場合、破裂させることもある。お湯の温度を下げ、水圧を弱めることができるのであれば、シャワーを浴び顔を洗っても問題ないとキング医師は付け加えている。
体をタオルでゴシゴシとこすらないように
お風呂の後に濡れた体を強く拭いていないだろうか?もし体をタオルで「ゴシゴシ拭いている」なら、強すぎだ。体はもっと優しくポンポンとたたくようにして拭くべきだ。早く乾かそうとしてゴシゴシと拭いてしまうと、肌への負担が大きすぎて皮膚は乾燥してしまう。
シャワーから出た後はゴシゴシとこすらないようにしよう。タオルを使って、優しく水分を吸い取るようにすれば、肌にダメージを与えることなく、しかも適度な湿度を保ったままにできる。髪も同じだ。早く乾かそうとしてゴシゴシすれば、枝毛や切れ毛ができやすくなる。
シャワー時間、どのくらいが「長すぎる」?
熱いお湯でゆっくりと時間をかけてシャワーを浴びることほど、リラックスできることはないかもしれない。だが、シャワー時間が長ければ長いほど、肌への負担は大きい。なぜかって?肌を守る細胞であるケラチノサイトは、皮脂を生成している。確かにばい菌のついた皮脂を洗い流すのは大切だが、長い時間洗ってしまうと肌を刺激して、乾燥させ、かゆみが出ることもある。
では、「長い」シャワー時間とはどのくらいを言うのだろうか?皮膚科医らはインサイダー誌に対し、理想的なシャワー時間は5分~15分だと語っている。一般的には、シャワー時間が長ければ長いほど、肌へのダメージは大きくなるという。
毎日シャワーを浴びる必要はない
シャワーを浴びる回数を増やせば、「それだけ清潔になる」はずだ。だが、感染症専門医のエレイン・ラーソンは毎日シャワーを浴びることで病気になる可能性は逆に高くなると主張している。シャワーを浴びすぎることで、肌が本来持つ皮脂を洗い流してしまって乾燥し、ばい菌が入り込みやすくなるということだ。ラーソン医師は、感染症予防は、適度に手を洗うので十分だ、と言う。
皮膚科学教授のC・ブランドン・ミッチェル博士はタイム誌に「ほとんどの人は入浴しすぎだと思います。体というのは、本来、十分にオイルがさしてある機械のようなものなのです。毎日シャワーを浴びる必要はありません。」と語る。それでも毎日シャワーを浴びたいのであれば、脇と股間を洗うくらいにして、体全体を洗う必要はない。石けんをつけすぎてしまうと、皮膚が乾燥してしまうのだ。
ボディソープで顔を洗わないこと
体を洗うついでにボディソープで顔を洗うのは確かに便利かもしれない。が、ボディソープは体用であって、顔用ではない。顔の皮膚は体のどこの皮膚よりも薄く、弱い。皮膚科医のレイチェル・ナザリアンによると、ボディソープは肌のpHバランスを崩してしまう恐れがあるという。さらに使われているオイルのせいで、肌本来の皮脂を劣化させることもある。
他にも、肌が乾燥したり、ヒリヒリしたり、最悪の場合、赤くなってしまうこともある。ボディソープと洗顔料が別々に売られているには理由があるのだ。人工的な香料で肌に負担がかかることもあるため、無香料の洗顔料を選ぼう。やむを得ずボディソープを使わなければならないのであれば、使用後に必ず保湿しておこう。
「さっぱりスッキリ」は洗いすぎ
「ピカピカきれい」は確かにカウンターや床を掃除するときにはピッタリだが、肌ではどうだろう。もし、「さっぱりスッキリ」とした洗いあがりなのであれば、洗いすぎている可能性がある。エステティシャンのアテナ・ヘウェットによると、ここまで洗うことで乾燥したり、粉をふいたり、赤くなったり、酷い場合には吹き出物ができることがあると言う。結局のところ、洗いすぎることによって肌を保護する皮脂さえも洗い流してしまうためだ。
これは脂性肌の人にとっては尚更だ。皮膚科医のロレッタ・シラルドは、さっぱりスッキリした洗いあがり感は、間違った洗顔料が原因かもしれないと指摘している。「ニキビ予防の洗顔料などでよく見られるケースです。」とアルーア誌に語っている。もし顔を洗いすぎていると思うのであれば、洗顔にかける時間を減らしたり、洗顔料を見直してみよう。
保湿はすぐに
体を乾かしたらすぐに保湿をしなければならない。熱いお湯で長い時間シャワーを浴びた後は、たとえ濡れたように感じていても肌は乾燥している。しかも、すぐに保湿をすることでローションが効果的に吸収される。
「シャワーの後に塗ったものはすぐに吸収されます。」と言うのは、美容皮膚科学部長のハイディ・ウォルドフだ。マウントサイナイ病院の院長は、皮膚を刺激するような製品を塗らず、保湿製品を塗ることを推奨している。
体を洗うスポンジやタオルを洗浄しよう
体を洗うスポンジやタオルを最後に洗浄したのはいつだろうか?もしかして数週間以上経ってる?もしそうなら、すぐにでも何とかしなければならない。石けんを使っているとはいえ、スポンジやタオルはすぐに汚くなってしまう。皮膚科医のセジャル・シャーは、スポンジやタオルには角質がくっついたままになっていると言う。そのためばい菌の温床となってしまうのだとか。
一般的に、シャワーで使うものは数週間ごとに洗浄した方がいい。たとえば体を洗うタオルは洗濯したり、スポンジは石けんで洗って絞って乾かしたり。研究者らは、用量を守って薄めた漂白剤を使うことも推奨している。まだ使えるかどうか迷うときには、古いものを捨てて、新しいものと取り替えよう。
毎日髪を洗う必要はない
1人1人の髪質は違うので一概には言えないかもしれないが、たいていの人が毎日髪を洗う必要はない。確かにシャンプーすることで有害なばい菌を洗い流すことができるかもしれないが、役立つばい菌をも流してしまうことになるためだ。髪を専門とする生物学者で毛髪学者、かつ微生物学者でもあるドミニク・バーグは、毎日髪を洗わない方がいいと忠告する。髪を洗うのは週に2~3回にしよう。
バーグ博士によると、体に良いばい菌は髪のpH値を調節する微生物叢を作るという。髪を毎日洗うとこの微生物叢までもが洗い流されてしまい、結果的に炎症や頭皮のかゆみ、真菌発生の原因となる有害なばい菌を招いてしまう。毎日髪を洗っているにもかかわらず脂っぽく感じてしまうのであれば、シャンプーを変えるのもいいかもしれない、とバーグ博士は助言している。
冷水シャワーを浴びる
冷水シャワー。この言葉を聞くだけで震えてしまいそうだ。だが、研究によると、冷水シャワーは免疫系を高めるという。2016年、プロスワンの研究で、冷水シャワーを浴びる人は(浴びない人と比較して)病気になる可能性が29%も低いことが明らかになっている。また、被験者らの冷水シャワーを浴びる時間はわずか30~90秒ほどだった。
冷水シャワーを浴びることで、気分を高めることもできる。メディカル・ハイポセシスの研究によると、冷水シャワーは神経伝達物質のエンドルフィンに対する反応を敏感にするという。こうした反応がうつ病治療に使える可能性も指摘されている。わずか30秒で、免疫や気分が上がるなんて。ぜひやってみよう。
足を洗おう!
石けんが足の方に流れていったからといって、足が洗えているわけではない。そう、足はきちんとゴシゴシ洗う必要があるのだ。「足はばい菌だらけですから。」とセルフ誌に語るのは、疾病専門家のアメシュ・アダウヤだ。「足のばい菌が悪臭の原因となるのです。」きちんと洗わなければ、こうしたばい菌が感染症を引き起こす可能性もある。
アメシュ・アダウヤ博士によると、足を洗う最適な方法は、スポンジやタオルで優しくこすってばい菌を除去することだという。定期的にきちんと足を洗ってこうしたばい菌を除去しないと、水虫やブドウ球菌感染症にかかったり、いぼができたりする。
カミソリをシャワー室に置いたままにしないこと
シャワー室で体を洗うスポンジやタオルがばい菌の温床となってしまうように、カミソリにも同じことが言える。「シャワー室にカミソリを保管することで、刃を替えなければならない頻度はぐんと上がります。」というのはヴィーナス皮膚科医のジョディ・レヴィーンだ。温かくて湿った環境によって、カミソリの刃が早く錆びついてしまうという。
その上、湿ったカミソリはばい菌の温床となる。カミソリを使うごとに肌の毛穴を開き、感染症のリスクを上げることに繋がっている。これを防ぐためには、使用後はカミソリを乾かして、シャワー室の外に立てて置いておこう。そうすれば、刃も長持ちするし、肌を傷つけることもない。
タオルで髪を巻いて乾かすことの危険性
米国皮膚病学会は、シャワー後にタオルで髪を巻くと髪にダメージを与える恐れがあると警告している。えっ?どうやって?と思うかもしれない。実は、髪は濡れているときに最もダメージを受けやすいのだ。濡れた髪を間違った方法でタオルで巻くと、髪は引っ張られ、切れ毛や枝毛ができてしまう。
それでもタオルで髪を巻きたいのであれば、そんなにきつくねじらないようにしよう。柔らかいタオルを使えば受けるダメージも少ない。少し髪の毛が乾くまで待って、髪の毛をとかしてからタオルで巻くと、ダメージを受けることも少なくなるだろう。
タオルを頻繁に洗おう
シャワー後にきれいになった体を拭くためだけに使うバスタオルは、どのくらいの頻度で洗わなければならないのだろうか。米国清掃協会(American Cleaning Institute)によると、タオルは3~4回使った後に洗うべきだという。NSFインターナショナルのメメット・オズ博士によると、温かくて湿った環境のせいで、バスタオルにはカビや酵母菌、ばい菌が繫殖するのだとか。
洗うべき頻度は、使用後のタオルをどの程度乾燥させているかによる。バスタオルを使った後、ポイっと床に置いたままであれば、完全に乾かないためばい菌が繁殖する。風邪など何らかの感染症にかかっているのであれば、使うたびに洗うべきだ。
石けん皿は捨ててしまおう
どのシャワー室にも石けん入れは備えつけられているものの、肌の健康には良くないかもしれない。コロンビア大学疫学部副学部長のエレイン・ラーソンは、ばい菌が繁殖した石けんについて注意を促している。同女史によると、シャワー室に石けんを置いておくのは、衛生上よくないという。
というのも、ばい菌は石けんの表面のヌルヌル部分で繁殖し、石けん皿に移っていく。ただ、こうしたばい菌は免疫不全の人以外には大したことはない。それでも石けんを乾燥した場所に置いておくに越したことはない。
プラスチック製のシャワーヘッドを取り替えよう
プラスチック製のシャワーヘッドは、金属製のものよりも衛生的とは言えない。ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)のインタビューの中で、分子・細胞・発生生物学教授のノーマン・ペース博士は、その違いを説明している。プラスチック製のシャワーヘッドは金属製のものよりもバイオフィルムができやすく、結果的にばい菌を増殖させてしまうのだという。
コロラド大学の科学者らは、金属製のシャワーヘッドよりもプラスチック製のシャワーヘッドに、より多くのばい菌がはびこっていることを明らかにしている。自分の家のシャワーヘッドが何の素材でできているのかは、接続部を見ると分かる。ボルトではなくねじで固定してあるタイプであれば、おそらくプラスチック製だろう。
ピーリングしすぎ?
ピーリングジェルやフェイスマスクが一般的となった今、毎日使う人もいるかもしれない。だが、これは回数を重ねるごとに肌にダメージを与えてしまうことになるため、ジェリア皮膚科の医師アナンド・ジェリアは、週に1~2回の使用を推奨している。これ以上の頻度でピーリングを行うと、特に敏感な顔の肌にダメージを与えてしまう。
頻度を減らすことによって、肌本来の天然油分が生成される時間を与えてやれる。ジェリア医師によると、ピーリングをし過ぎることで、肌が敏感になりすぎることもあるという。肌が赤くなったり、ポロポロと皮が剥けたり、ヒリヒリした場合には、お使いのピーリングジェルを見直した方がいい。
温度を下げよう
熱いお湯でシャワーを浴びるのが好きな人には、がっかりするニュースかもしれない。熱いお湯でシャワーを浴びるのは、肌に良いとは言えないからだ。皮膚科医のイーラム・イリャスによると、熱いお湯は肌の持つ天然油分(皮脂)を文字通り剥がし落としてしまうのだという。そして、この油分はたいてい肌を守ってくれる役割を持つため、熱いお湯の後には肌が乾燥したり、かゆみがでたりすることもある。
イリャス博士がインサイダー誌に語ったところによると、これは年齢と共に顕著に現れるのだという。皮膚が薄くなるため、お湯に対してもっと敏感になるのだ。温かいと感じられるくらいにまでお湯の温度を下げよう。それでは体が温まらない、と言うのであれば、熱いお湯でシャワーを浴びる時間を少なくしよう。
体を洗うスポンジを吊るしたままにするのはやめよう
シャワー室で体を洗った後、使ったスポンジやタオルはどこに置いているだろうか?シャワー室に置きっぱなし?ばい菌は温かくて湿った環境で繁殖するのはご存知の通りだ。やめたほうがいい。皮膚科医のJ・マシュー・ナイトはシャワー室にスポンジやタオルを置いておくことで、カビや酵母菌、細菌を繁殖させているのと同じことだと言う。
臨床微生物学会誌の研究によると、体を洗うスポンジやタオルには大腸菌など危険な細菌がいることが明らかにされている。こうした細菌は、きれいに剃られた肌などに感染する可能性が高い。安全のため、スポンジやタオルはシャワー室の外に置いておくか、手洗いしておこう。
シェービング後はスポンジやタオルを使わないように
シェービングをすると、毛穴が開くため、そこから感染性の細菌が入り込むことがある。スポンジやタオルはばい菌の温床となっていることが多いため、シェービング後に肌を洗うのに使わない方がいい。皮膚科医のメリッサ・ピリヤンはシェービング後数日はスポンジやタオルを使わない方がいい、と警告している。
ピリヤン博士はまた、スポンジやタオルの使用も週に1~2度とすることを勧めている。というのも、体は手を使って洗えば十分だと考えているためだ。シャワー室で使うスポンジやタオルを定期的にチェックして、ニオイが気になりだしたり、カビが生えているようなら、新しいものと交換しよう。
浴室の掃除を頻繫にしよう
最後に浴槽を洗ったのはいつだったろうか?確かに浴室では石けんを使っているとは言え、シャワー室や浴槽はすぐに汚くなってしまう。微生物学者のジェイソン・テトロは、シャワー室には大腸菌などの有害なばい菌が繁殖すると述べている。トゥデイ・ホーム誌も、カビはシャワー室など湿った環境をよく好むと警告している。
テトロ博士は2週間ごとに浴槽を洗い、シャワーカーテンを毎週消毒することを勧めている。きれいに洗った後は、シャワー室のドアやカーテンを開けておこう。そして空気の流れを作って、浴室を完全に乾かしておこう。(ユニットバスであれば)トイレのドアも開けておくといいだろう。
コンディショナーの正しい使い方
コンディショナーを使うとき、多くの人は頭皮につけて、そこから毛先へと伸ばしていく。しかしながら、頭皮にコンディショナーをつけることで皮膚を刺激してしまう可能性がある。カラーリストのメリ・ケイト・オコナーは、これが原因で頭皮が脂っぽくなってしまうこともあるという。たいてい、頭皮から出る天然油分は頭頂部に集まっているため、さらにコンディショナー(油分)をつけることで、ギトギトになってしまう。
とは言え、米国皮膚病学会はシャンプーするごとにコンディショナーを使うことを推奨している。オコナーは、最もパサつきがちな毛先にコンディショナーをつけて、そこから根元に伸ばすことで、頭皮がべとつくのを防ぐことができる、と述べている。
運動後にシャワーを浴びた方がいいワケ
運動後にシャワーを浴びるのは、何も悪臭を防ぐためだけではない。感染症予防にもなるのだ。ウィメンズヘルスのディレクター、ホリー・フィリップスによると、汗が残っているとばい菌が繫殖する恐れがあるのだという。このために発疹や吹き出物ができることもあるが、最悪の場合、ブドウ球菌感染症になることもある。
とは言え、運動後に毎回シャワーを浴びないからといって肌に問題が生じるわけではない。シャワーを浴びないのであれば、汗をかいた後すぐに乾いた服に着替え、ベビーパウダーをポンポンとはたいておけばいい。シャワーと言っても、たった5分ほど汗を洗い流すだけでいい。
硬水を使うのをやめよう
軟水と違って、硬水には多くのカルシウムやマグネシウムが含まれている。米国地質調査所(USGS)によると、アメリカの水の85%は硬水だという。こうした化学物質は石けんやシャンプーと化学反応を起こす可能性がある。カルシウムやマグネシウムが石けんに含まれる脂肪酸と反応すると、石けんの効果が失われるのだ。
さらに硬水は、髪をもつれやすくさせるばかりか、コシが失われてしまうことにも繋がる。フィットネスジムやホテルでシャワーを浴びた後に、いつもと何か違うと感じたなら、それはもしかしたら場所によって水の硬度が異なるせいかもしれない。硬水軟化剤を使って、硬水を使わないようにしてみよう。
古いカミソリは捨てよう
何度かカミソリを使用すると、刃には角質やばい菌がつく。鈍くなったり錆びてしまった刃を使うと、肌を傷つけてしまうだけでなく、感染症のリスクが高くなる。皮膚科医のウィットニー・ボウは数回使用するごとに刃を交換することを推奨している。
ボウ医師はさらに、刃を長持ちさせる秘訣についても明らかにしている。石けんやシェービングクリームが刃に残っていると錆の原因となるため、カミソリを使用するごとにきちんと刃を洗おう。洗った後はタオルで刃を拭き、薬箱などを置いてある乾燥した場所に置いておくことだ。
どうして普通のタオルではなくバスタオルを使うのか
どうしてバスタオルは普通のタオルよりも柔らかいのだろう?その理由は使い心地のよさだけではなく、髪のためでもある。有名人のヘアスタイリストとして知られるモネイ・エベレットによると、普通のタオルの粗さが髪にダメージを与えることがあるからだという。
髪は濡れているときに最もダメージを受けやすい。そのため、粗いタオルに髪を包んでギュッとしぼったりすると、毛幹に沿ってダメージを受け、髪のもつれや縮れ毛に繋がるのだとエベレットは語る。バスタオルがない場合にはマイクロファイバーのものかTシャツを使うといい。そして髪を乾かすときには、優しくポンポンとタオルに包んでたたくようにして乾かそう。
排水口に髪の毛を残したままにしてはいけない
確かに、排水口にたまったままになっている抜け毛は気持ち悪い。だが、そのままにしておくと排水管が詰まってしまう原因となる。そしてそれが結局、排水管だけではなく、衛生面でも問題を起こすことに繋がるのだ。排水管が詰まると、水がたまりやすくなる。そして汚水がたまるとばい菌が繫殖する。そして、水がたまることでカビが排水口だけでなく、シャワー室の床にまで生えやすくなる。
排水口にカバーをすることで、抜け毛が排水管でからまって目詰まりを起こしてしまうのを防ぐことができる。シャワー後にはもちろん、カバーにたまった髪の毛を捨ててしまおう。その時は気持ち悪いと思うかもしれないが、すぐにしないと時間が経つごとにもっと気持ち悪くなる。それでも排水管が詰まってしまったときには、排水管洗浄剤を買おう。
シャワーを出すときに、顔をシャワー口に向けないように
2009年、コロラド大学の研究者らが3つの州にまたがってシャワーヘッドを調査した結果、80%以上ものシャワーヘッドに感染病原菌マイコバクテリウムがついており、これが肺疾患の原因となることを明らかにしている。シャワーの水を出すときに顔を向けていれば、ばい菌をいっぱい顔に浴びていることになる。
ただ、こうしたばい菌も強い免疫力のある人には問題ない。しかし、免疫不全や、子ども、妊婦、高齢者にとっては、感染症のリスクが高くなる。シャワーヘッドを頻繁に洗い、シャワーを浴びる前に少し水を出しておこう。
朝ごはんを抜かないで
朝バタバタして忙しいときに、朝ごはんを食べる時間を確保するのは大変だ。しかし、聞いてほしい。朝何も食べなければ、体は燃料切れを起こしてしまい、特に髪に必要な栄養がいくことはない。
朝、頭や体を動かすために使われる栄養素やミネラルは、髪に届くよりも先に、主に体の重要な機能へと届けられる。そのため、朝ごはんを抜くことで、抜け毛の原因や、髪の毛がなかなか伸びない原因となる。学校や仕事の前に何か食べよう!
定期的に美容院に行こう
もしかしたら髪を伸ばしてみようかと思うときがくるかもしれない。そんなとき、初めにすべきことは美容院に予約を入れることだ。
枝毛があれば、その枝毛はどんどん広がって、髪を伸ばしたところで美しく見えない。こうした事態を避けるためにも、2ヶ月ごとに美容院に行ってプロの美容師さんにヘアケアしてもらうことが大切だ。これは科学的エビデンスなどはないが、紛れもない事実だ。
髪をきつく結ばないで!
髪の毛がまとまらない日などは、サイドの髪を後ろに流して、まとめて結んでしまうのが一番簡単な解決法だ。だが、毛根にダメージを与えてしまわないよう、きつくし過ぎないこと、そして常にそうやって結ばないように気をつけなければならない。
また、髪を結ぶ輪ゴムに細いものを選ばない方がいい。細い輪ゴムできつく結ぶことで、切れ毛や頭皮を刺激する原因になったりするためだ。そのため、髪を結ぶときには、太くて布地で覆われたものを使い、ナイロンでできた輪ゴムは使わないようにしよう。髪留めにヘアピンを使うのも良いアイデアだ。
清潔でないなら使わないで
もし使おうとしているくしやブラシが清潔でないのなら、むしろ、使わない方がマシだ。きれいに洗っていないくしやブラシには、角質やばい菌、ゴミなどの汚れがついているのに、これらを髪に付けたくはないだろう。
だからといって、お手持ちのくしやブラシを捨てて、定期的に新しいものを買う必要はない。単に重曹水に1分間程度つけて空気乾燥させてやれば、再び使えるようになる。簡単なことだ。
髪の毛のタイプに合わせてシャンプーを選ぼう
一生、髪質がまったく変わらないという人は少ない。そのため、使っているシャンプーをその都度違うものに替えた方がいい。だが、シャンプーを替えた後、髪がどういう状態になっているか注意する必要がある。
パーマをかけたり、髪を染めたりした後には、これまでと同じシャンプーを使い続けることはできない。新しい髪型に合わせたシャンプーやコンディショナーを使うことで、髪型も長持ちするし、健康的な髪をキープできる。自分のその時々の髪に合ったものを探そう!
タンパク質を摂ろう
髪はケラチンというタンパク質でできていることを知っていただろうか?いや、知っている人の方が少ないかもしれない。だが、ここで重要なのは、健康的な髪をキープするには十分な量のタンパク質を摂取する必要があるということだ。
もしタンパク質を十分に摂っていなければ、健康的に髪が伸びることもない。常にナッツ類や豆類、魚や鶏肉などを食生活に取り入れて、髪を健康に保とう。タンパク質不足だと、髪も元気にならない。
スタイリングは髪が乾いてから
これはどんな髪のタイプにも当てはまるというわけではないが、ほとんどの人にとって知っておいた方がいい常識だと言える。繰り返しになるが、髪は濡れているときにダメージを受けやすくなるため、乾いてからくしやブラシで髪をといたり、セットした方がいい。
濡れているときにもからまっている髪をほどくのは問題ないが、切れ毛や枝毛を防ぐためにも目の粗い(歯の開いている)ブラシを使って、前述のように適切な方法で髪をとかそう。髪をキメるにはしなければならないことがあるのだ。
枕カバーにはシルクかサテンのものを選ぼう
そう、一般的な枕カバーには柔らかさや耐久性の面からコットンが使われていることが多いが、コットン製の枕カバーには問題がある。コットン製の枕カバーを使って髪がこすれることによって、その摩擦で枝毛や縮れ毛ができてしまうのだ。
そこで、シルクやサテン生地の枕カバーに替えて髪の健康を維持しよう。しかも、サテンやシルクの肌触りは、長い1日を終えた後に頭を休めるにはピッタリだ。
ヘアケア商品の使い過ぎに注意
棚にずらっと並ぶヘアケア商品や、多くの人やウェブサイトでお勧めされている商品を見ると、一体どれを使うべきなのか迷ってしまう。だが、色々な商品をたくさん使いすぎると、結局髪が重く、脂っぽくなってしまう。
たくさんある中でも、必要だと言えるものは、艶出し美容液、ヒートプロテクト処方(ドライヤーなど熱のダメージから守る)の入っているもの、そして、毎日髪をセットしているのであればドライシャンプーだろう。どれを使おうかと選ぶときには、使い過ぎも良くないということを覚えておこう。
髪の脱色には注意...
濃い色の髪の人は、金髪にするとどんな感じになるかやってみたいと思うこともあるだろうが、髪を脱色するのは髪の健康にとって良いとは言えない。そして、脱色することが髪に良くないと知ってはいても、その理由までは知らないかもしれない。
ブリーチをすることによって、髪のキューティクルに化学物質を注入しているようなものだ。こうすることで、毛幹を傷つけ、髪がパサついて切れ毛ができやすくなる。そんな髪質になってまで明るい色にしたいだろうか?
毎回、髪に熱をあてるのは良くはない
支度をしているときなどに、できるだけ早く髪を乾かしたいという気持ちは分かる。だが、ドライヤーの温度の上げすぎには注意が必要だ。
また、髪をストレートにセットするのにドライヤーなど熱を毎日あてると、髪の水分が奪われ過ぎて、ダメージを受けやすく、色艶もなくなりがちだ。髪を洗ったときには、毎回ではなく、たまにドライヤーやヘアアイロンなどを使うくらいにしよう。髪の健康を守るには、大切なことだ。
毎回髪にパーマをかけたりカラーリングしたり…
ここまで、髪の健康を保つために色々なことをレクチャーしてきたが、この最後のポイントは外せない。ストレートパーマやパーマ、カラーリングを繰り返しすると、髪にとってはあまりにも多くの化学物質にさらされることになる。
当然のことながら、あまりにも多くの化学物質にさらすことは髪だけでなく、体中のどこであっても健康にはよくない。結果として髪はパサつき、切れ毛などができやすくなる。そこで、美容師には常に、前回どんなことをしたのかを伝えよう。そうすることで、あなたの髪にぴったりの方法を選んでくれるだろう。