「人類の友」とはよく言ったもので、犬は生まれながらにして生涯、愛してくれる人と強い絆を持ち、その人に忠誠心を誓う。日本でいうと忠犬ハチ公がその代表だろう。しかし、その絆や忠誠心の相手は、必ずしも人間に限られたものではなく、犬同士であることもあるようだ。今回登場する元気いっぱいのピットブルと、病気のチワワが保護のためにシェルターに連れてこられたとき、2匹の間には何もなかった。だが、このピットブルの引き取り手が見つかったとき、その反応は見たものすべてを感動させることとなったのだ。
共に捨てられる
2014年10月、メスのピットブルミックス「メリル」と、オスのチワワ「タコ」はロケット・ドッグ・レスキューに保護された。サンフランシスコに拠点を構えるこのシェルターの誰も、どうしてメリルとタコの飼い主がこの2匹を捨てたのか知らなかったが、この意外なペアには特別な何かがあることに気づいていた。
メリルとタコは保護されたときから互いに離れようとしなかった。そのため、シェルターでは2匹を一緒に引き取ってもらいたいとは考えていたものの、それは想像以上に難しいのだった。
意外な組み合わせだが、いつも一緒
ロケット・ドッグ・レスキューのボランティアスタッフや従業員は、メリルとタコがシェルターで保護される前の様子について何も知らなかった。ただ、1つだけ明らかだったのは、メリルとタコは文字通り、常にくっついていた。
ほんの一瞬でも2匹を引き離すと、たちまち互いを求めて鳴き始めるのだ。シェルターは2匹の絆を表す写真をシェアし、「この2匹が別々に引き取られて離れ離れになることを考えるのも、一緒に引き取られるまで何ヶ月もシェルターで待ち続けることを考えるのも、非常に辛いことです。」と述べている。
メリルの衝撃の過去
ロケット・ドッグ・レスキューの獣医は、シェルターに連れてこられたときに2匹をチェックし、共に健康状態が良好だとはとても言えないことに気づいた。メリルはおそらく3歳くらいで、繫殖に使われていたのだろうことが分かった。
メリルはさらに、命にかかわる尿路感染症を患っていた。それはつまり、もう繁殖には使えないということを意味していた。そして、おそらくこれが飼い主がメリルを捨てた理由だろうと予測された。だが、ちょうどメリルが手術を受けようとしたとき、奇妙なことが起こったのだ。
メリルが手術を受けるとき、タコが奇妙な反応をした
メリルが手術を受けるために連れて行かれたとき、シェルターの従業員らは、おそらく8歳くらいだろうと推定されているタコが非常に不安がっていることに気づいた。タコはメリルが手術室にいる間ずっと、極度の不安を示していた。
メリルが戻ってきて、タコがその姿を目にしたとき、メリルとタコはお互いに喜び合うようにずっと鳴いた。獣医はメリルには安静が必要だと思ったが、2匹は興奮して鳴くのをやめなかったのだ。
タコ、メリルのお見舞い
ついに、シェルター従業員は、手術室にいるメリルのところにタコを連れて行った。タコはすぐさまメリルの傍に寄り添い、2匹はやっと安心したかのようだった。スタッフらは、2匹の揺るぎない絆を目の当たりにして驚いたという。
この件で、シェルター側は重要なことに気づいた。メリルとタコの強い絆がどれほどのものかに気づかされたのだ。そして、離れ離れに引き取られることは、長期的に考えると、2匹にとって良いことにはならないのではないかと懸念した。
懸念の理由は、2匹の絆
メリルとタコの強い絆を目の当たりにしたシェルター従業員らは、懸念を募らせていった。これまでの経験からも、2匹が一緒に引き取られるというケースは稀だということを、誰もが知っていたからだった。
シェルターでは、引き取り手を求めてメリルとタコの写真を別々に掲載していた。それぞれに数件、問い合わせがあったものの、従業員らはそれぞれが別々に引き取られることになった場合には、厳しい状況になると考えていた。そして、メリルの引き取りに関心を示す人が現れたことで、どういうことになるのか本当に試されるときがきたのだ。
メリルを引き取りたいと現れた男性
メリルはまだ比較的若く、見た目も良いことから、引き取りたいと関心を寄せる人が多数いた。一方で、タコは年を取っていることもあり、引き取り手は簡単に見つかりそうもなかった。
やがて、1人の男性が、メリルの新しい飼い主候補となる。その男性はメリルを見たときから、メリルを引き取りたいと思っているということだった。そして、この男性はメリルを実際に見に来たのだが、これから起こることについて予想もしていなかった。
見ている人すべてが言葉を失った2匹の行動
メリルに関心を寄せた男性は、ロケット・ドッグ・レスキューに到着し、すぐさまメリルの引き取りに必要となる書類にサインをした。早くメリルを家に連れて帰りたかったのだ。しかしながら、男性とスタッフがメリルとタコの部屋に着いたとき、奇妙なことが起こったのだ。
シェルター従業員がメリルをケージから連れ出すと、途端に2匹が互いを求めて鳴き始めたのだ。その2匹の必死な様子に、誰もが啞然とした。メリルを引き取りたいと考えていた男性もその状況に混乱した。
何が起こっているのかをやっと理解する
その日の様子からも、メリルとタコの揺るぎない絆は明らかだった。タコと一緒でなければメリルはどこにも行きたがらない様子を目の当たりにした従業員は、メリルを引き取りたいと申し出ていた男性にメリルとタコの状況について説明した。
幸い、男性は状況を理解し、2匹に同情した。そして、2匹の絆を引き裂くようなことはしたくないと考えた。だが、ここで問題となるのは、男性がメリルとタコの両方を引き取る意思があるかどうかだ。
メリルの引き取りはキャンセルに
メリルを引き取りたいと申し出た男性は、2匹の状況に理解を示したものの、両方とも引き取ることができなかったため、メリルではない他の犬を引き取って帰った。シェルター従業員らはシェルターに保護されている犬が1匹引き取られたことを喜んだものの、メリルとタコを一緒に引き取ってくれる人はいるのだろうかと懸念した。
やがて、メリルとタコの両方をまとめて引き取ってもらうための良いアイデアを思いつく。
すべてを変えた写真
シェルターのサイトにはすでにメリルとタコを別々に掲載して引き取り手を募集していたものの、ロケット・ドッグ・レスキューはこの2匹が一緒に引き取られるように、これまでとは違った方法をとることにした。そこで2匹を一緒に掲載し、2匹の強い絆について説明した。
このとき掲載した写真は、座っているメリルの腹と足の小さなすき間からタコが頭を出しているところだった。「この2匹には家族と家がありませんが、この2匹は残された家族がお互いしかいないので引き離すことはできません。」と説明文をつけた。
メリルとタコ、人気者に
2匹の可愛らしい写真はたちまちインターネット上で話題となった。様々なソーシャルメディアで拡散されると、多くの人が2匹に関心を寄せた。
メリルとタコはあっという間にインターネットで有名になったが、一緒に引き取られるためにはこれだけで十分だったのだろうか。確かに多くの人が2匹を引き取りたいとコメントをあげたものの、実際に真剣に引き取ることを考えてシェルターに連絡してくる人は、そうはいなかったのだ。
有名になっても一緒に引き取るという人は現れず
14,000もの「いいね!」や1,000件ものコメントがつき、26,000回もシェアされて、ついにロケット・ドッグ・レスキューはメリルとタコに関心を寄せてもらうことに成功したのだった。
シェルターの従業員らは、メリルとタコを別々の人に引き取ってもらう代わりに、2匹を一緒にすることは正しい判断だったと考えていたものの、投稿した写真に反応した人のうち、果たして実際にメリルとタコを一緒に引き取ろうとしてくれる人はいるのだろうかと懸念していた。
メリルとタコ、辛抱強く待つ
さて、メリルとタコはインターネットで有名人となったものの、実際に2匹を一緒に引き取ろうとする人は現れなかった。ロケット・ドッグ・レスキューはこの2匹の写真を掲載し続け、飼い主を探していることを伝えた。
メリルとタコの写真を見た人は、特にそのあり得そうにない見た目の組み合わせであることからも、2匹の絆が素晴らしいと絶賛した。メリルは大きくてまだ若い一方、タコは年取っていて小さいというまったくの正反対ともいえる組み合わせだが、同じように互いをかけがえのない相手として愛していたのだった。
ついに、祈りがとどく
メリルとタコに新しい家族が見つかるまでの間、ジョディという名前のボランティアがこの2匹の面倒を見ることになった。やがて、サンノゼに住む家族が2匹を引き取ることに関心を示す。その家族は偶然シェルターが掲載していた投稿写真を目にしただけかもしれないが、2匹にとっては、まるで奇跡が起こったようだった。
この家族はジョディの家までメリルとタコに会いに来ると、実際の2匹を見て、ますます気に入ったようだった。しかし、メリルとタコの物語はここで終わったわけではなかった。
タコについての悪い知らせ
メリルとタコが引き取られたときには、タコはすでに老犬の年齢に達していた。そして、新しい家に引き取られてまもなく、タコの健康問題が浮上したのだった。
タコは喘息に悩まされていた上、歯はたったの4本しか残っていなかったため、常に小さな舌を垂らしていた。このことからも、メリルとタコの前の飼い主は、きちんとした体調管理をしてあげていなかったのは明らかだった。
やっと獣医に連れていってもらうことに
2匹を引き取って数ヶ月後、新しい飼い主はタコを検査してもらうため、獣医に連れて行った。ここでタコは心不全を患っていることも明らかになった。
タコの心臓は肥大して肺の周りに水がたまっていることも、喘息もちのタコにとって呼吸が困難となっている原因だった。タコとせめてもう1年だけでも一緒に暮らしたいと願っている家族にとって、その診断は酷とも言えるものだった。
タコは専門医にかからなければならなかった
タコの運命は心臓に見つかった病気もあって、どうも前途洋々というわけにはいかなかった。獣医はタコの心臓病には治療が必要で、手遅れになる前に、何らかの処置が行われなければならないことを告げた。
専門医による処置を待つ間、タコは特殊な薬物治療を受けた。家族は専門医に診てもらうまでの間不安を抑えることができなかったが、それでもメリルとタコのために前向きでいようと努力した。やはり、何かがおかしいときに、犬にはそれに勘付く力が備わっているようだ。
タコ、もう一度生きるチャンスを得る
タコの年齢を考えても、生き延びる確率はかなり低かったが、それでも新しい飼い主らは諦めなかった。飼い主らはタコがこれまでに受けたことのないほどの愛情を注ぎ、タコが頑張ってくれることを信じていた。
この苦しいときにタコの支えとなっていたのは、やはりメリルが傍にいたことだった。結局のところ、メリルとタコははじめからずっと2匹で戦ってきていたのだ。
タコ、回復し始める
ありがたいことに、タコの治療はうまくいき、回復の兆しを見せていた。心臓も安定し、犬として再び普通の生活を送れるようになったのだった。
タコの治療には、肺の周りにたまった水のために、抗けいれん薬とステロイドが使われた。心臓が快方に向かっているとは言え、これからずっと薬を服用し続けることは避けられなかったが、それでも、タコには新しい家族とメリルともう一度暮らせるチャンスが与えられたのだった。
メリルとタコ、人生を自由に生きる
健康問題はさておき、メリルとタコは最高の生活を始めた。新しい家族を探すまでにおよそ1ヶ月かかったものの、この2匹を引き離すことはできなかったため、この1ヶ月が何年ものように長く感じられた。
タコは、その体格差や年齢差にもかかわらず、どこでも親友のメリルについていった。そして、新しい家族は2匹のFacebookページを作るほど、2匹にたっぷりの愛情を注いだ。
メリルとタコ、インターネットで未だに有名人
メリルとタコは引き取られるときにインターネットで有名になっていたが、新しい家族はプライバシーを望んでいた。そして家族は自らについて公開することを望まなかったが、それでもこの2匹のファンがいることも理解していた。
そのため、家族は「メリルとタコ」のページを作り、2匹のファンに新しい家での暮らしぶりについて知らせることにした。メリルとタコのファンらは、新しい家に引き取られてもなお、2匹の絆が強く結びついている写真を見ることができて喜んだ。
タコ、メリルを通して生き続ける
メリルとタコはやっと愛情を注いでくれる家族と共に暮らせることになったにもかかわらず、それでも2匹が離れるときには互いを求めて鳴いた。2匹の絆の強さがどれほどかが分かる。
タコはいつもメリルと走り回ることができたわけではなかったが、メリルが新しい家で自由に動き回っているのを、家族に抱きかかえられながら見るのが大好きだった。新しい家族との生活は、これまでに経験したものとはまったく異なっていた。だが、これがずっと永遠に続くことはなかった。
タコ、新しい家族の赤ちゃんになる
タコの新しい家族は、タコに新しい楽しみを見つけてあげた。そのうちの1つには、タコは赤ちゃんのように抱っこされるのが何よりも好きということだった。メリルと遊んでいないときにはいつだって、家族に寄り添っていた。そして、家族はときにTシャツの中にタコを入れて抱きかかえてあげた。
驚くべきことに、メリルは大親友のタコにいつだって優しかった。ピットブルミックスは力強い犬種だが、タコに対して優位性を示したりすることはなかった。メリルはいつだって、タコが体をよじ登るのを許していた。
メリルは家族と居眠りするのが大好き
メリルとタコが互いに寄り添っていないときには、よく新しい家族とひっついて寝た。2匹が好きなことの中には居眠りもあるが、新しい家族の傍でよく居眠りをすることもあったようだ。明らかに、家族が2匹のことを愛しているのは起きているときだけではないのが分かる!
メリルとタコの新しい飼い主は、よく子どもと犬がおかしな格好で一緒に寝ているのを目撃している。そんなおかしな体勢でよくもスヤスヤと眠れるものだ!
2匹にとって、初めての本物のクリスマス
引き取られてから、メリルとタコはシェルターでの暮らしぶりとは比べ物にならないほど、安定した幸せを得ていた。推測の域を出ないが、もちろん、シェルターに引き取られる前の健康的ではなかったと思われる暮らしぶりからは、とても考えられないことだっただろう。
しかし、すべては昔のことで、おそらく2匹は保護犬だった頃のことなど覚えてもいないだろう。2匹の犬を引き取ってから、家族も新しい家族の伝統を始めた。この写真は新しい家族と過ごしたクリスマスの写真だが、もちろんクリスマスをこのように祝うのは2匹にとっても初めてのことだっただろう。
引き取ってから1周年を祝えたのは奇跡
しかし、メリルとタコ、そして新しい家族にとって最大のお祝いとなったのは、引き取ってから1年目の記念日だった。お祝いのために、家族は他の犬も伴って散歩に行った。
飼い主は、メリルとタコが他の犬の友達と、キムという名の青いシャツを着た女性といる写真をシェアしている。実際には、メリルとタコを一緒に撮影した写真がインターネットで有名になったのはキムがシェアしたものだった。
大きさなんて関係ない
メリルとタコのペアがこんなに愛されるわけは、体格差が大きいにも関わらず、2匹を対等に結び付けている絆にあるだろう。それぞれまったく異なる犬種であるにもかかわらず、当の本人らはまったく気にもしていないようだ。
タコはメリルと自分がまるで同じ大きさであるかのように、体を寄せ、メリルの体によじ登ったりする。そして、メリルも同様だ。メリルとタコは本当に色々な苦難を共に乗り越えてきたのだろう。そうしてできた絆だからこそ、強く結びついているのだ。
シェルタースタッフも未だに気にかけている2匹
メリルとタコが持つ絆は、多くの人々、特にロケット・ドッグ・レスキューで働く人々の印象に強く残っていた。メリルとタコが引き取られてから随分と経った後にも、ロケット・ドッグ・レスキューのスタッフは2匹の幸せな物語の結末をシェアし続けた。
あるときにシェアしたメリルとタコの写真には、「メリルとタコは新しい家族で素晴らしい生活を送っています。この写真は楽しい一日を過ごした後に、暖炉の傍で寄り添って暖をとっているところです。」という説明文をつけている。
メリルの成長と新しい友達
メリルは引き取られたとき、まだ比較的若かったことを覚えているだろうか。新しい家族に引き取られてから、メリルは社交的な犬に成長し、新しい友達もたくさんできた。この写真はメリルが初めてPJに会って、一緒に遊んでいるときの様子を飼い主が撮影したものだ。
メリルがお日様の下で元気いっぱいに遊んでいる様子がうかがえるものの、それでもタコが周りにいないということが気がかりだった人も多かったが、実際には、タコは単に他の遊びをして、ここにいなかっただけということだ。
タコは家でゆっくり過ごす
メリルとタコの信頼は強く、2匹ともすぐに新しい家になじんでいった。そしてついに、互いから離れて時間を過ごすこともできるようになったのだ。新しい飼い主は、メリルが新しい友達と外で遊ぶとき、タコは家の中で過ごすことを選ぶようになった、と述べている。
これはおそらく、タコが年を取ったことにもよるだろう。タコは新しい家族と家でゆっくりとくつろぐことに満足しているようだ。家族も、メリルが友達と元気いっぱいに駆け回るときには、あまり安全ではないため、タコは一緒に行かない方がいい、と語っている。
トリミングの日は複雑な気持ちに
メリルとタコがきちんと世話をしてくれる人に引き取られたことは、本当に幸運なことだった。新しい飼い主はたまに、トリミングをするためにドッグサロンに連れていってくれることもあったのだ!人間にとっては美容院は、とんでもなく素晴らしいご褒美のように思えるかもしれないが、この2匹は、少なくともお風呂はあまり好きではないようだ。
飼い主は「お風呂が好きとはとても言えない顔をしているけれど、少なくともドッグサロンまでの散歩は楽しんでいました。あと、トリミングが終わった後でご褒美にもらえるクッキーも!」と記している。
メリルはマニキュアをしてもらうことも
新しい飼い主が、メリルとタコをたくさん甘やかしていることは明らかだ。その結果、2匹は犬用のマニキュアやペディキュアまでしてもらうことも!
飼い主はマニキュアメーカーで有名なOPIが販売しているPawlish(犬の手のPawとネイルポリッシュをかけている)と呼ばれる犬用のマニキュアまで購入し、メリルにこの鮮やかなピンクのマニキュアをしてあげている。ありがたいことに、メリルは乾くまでの間、居眠りをしていたようだ。メリルがもし起きて走り回っていたら、それこそ家中あちこちピンク色になってしまっていたことだろう!
タコ、食べきれないほど欲張る
タコは小型犬だが、その体に似合わず、鳴き声も食欲も大きかった。飼い主は、この写真を撮影したときのことを振り返ってこう述べている。
「メリルが大きな美味しい骨をおやつにもらったときのことです…隣の部屋からタコが鳴いている声が聞こえたので、どうしたのかと思って見に行くと、タコがメリルに骨を返せと吠えているところでした。タコは歯がないのに、だからといって骨を諦めるということはないようです。」とFacebookに書いた。
ホリデーを楽しみにする
2匹が新しい家族と共に2回目のクリスマスを迎えることができたのは、奇跡だった。メリルはトナカイのツノのついたヘッドバンドをつけてホリデームードを楽しみ、タコにはそのヘッドバンドのサイズはまったく合わなかったものの、ホリデーの楽しみに加わっている。
メリルはどうやら、トナカイのツノがあまり好きではなさそうだ。飼い主は「ツノをつけたままでは動けないため、この態勢でじっとするしかないようです。」と述べている。
仲良し2人組、獣医にも共に行く
メリルとタコの健康は、新しい飼い主にとって最優先事項だった。新しい飼い主はこの可哀想な2匹が経験してきた様々な理不尽なことを理解し、残りの人生をより良く生きてほしいと願って、しばしば獣医に連れて行っている。
2017年、新たな年を迎え、メリルとタコを獣医に見せた結果、2匹ともこの恥ずかしい襟巻きをつけて帰宅している。
メリル、会ったことのない動物に出会う
メリルとタコが迎えた新しい生活の中でも、新しい家族と共に自然を満喫し、冒険できるのは2匹にとっても喜ばしいことだった。この写真は、タコが家でゆっくりと休んでいたときに、メリルが初めて馬とロバに会ったときに撮影されたものだ。
飼い主はFacebookで「メリルはこの大きな生き物にすごく興味津々でした。」と書いている。もちろん、これはメリルの新しい人間の家族のことではなく、馬やロバのことだろう!
2匹、目覚ましかわりに
この可愛らしい2匹に寝ているところを起こされることほど、嬉しいこともないだろう。メリルとタコは布団にもぐりこんで(人間の)兄弟を起こしてあげている。それでも起きない場合には、腕の下にもぐりこむことも。
明らかにこの2匹がもぐりこんでくると温かくて気持ちいいのだろう。おそらく余計にベッドから出られないのかもしれない。だからきっと、この写真を撮影した親は携帯のフラッシュライト機能を使ったのだろう。なんてこった。
やっぱり最高なのは寝る時間
犬にとって人生は必ずしも容易ではない。メリルとタコの人生も、もちろん、容易なものではなかった。ありがたいことに2匹は苦しいときにも一緒にいることで乗り越えてきたのだ。そんな2匹にとって、ときに必要となるのは互いに寄り添っての昼寝だったりする。よく同じベッドで一緒に寝ているという。
家族はこの可愛らしい2匹が寄り添って寝ている写真を投稿し、「我が家」と説明文をつけている。この写真自体が2匹の平穏な暮らしぶりすべてを物語っている。
タコ、思い出の中で生き続ける
メリルとタコの新しい飼い主は、できる限り、考えられるだけの最高の人生を送らせてあげるよう努めた。悲しいことに、タコは2018年5月にその人生を終えている。飼い主はこの悲しい知らせについて、「引き取ったときから、おそらく私たちと過ごせる期間は1年ほどだろうと覚悟をしていました。でも、なんと、3年も一緒にいられたのです。家族になれて、本当に幸せでした。」と記している。
タコがいなくなったことは、家族みんなにとって辛いことだったが、メリルにとっては永遠に感じるほどの辛さだったことだろう。