デルヴァー・ドプソンは、ある地域でゴミ収集作業をしていました。その地域に住む住民は、誰もがドプソンの顔を見知っていましたが、ドプソンに小さなファンがいることは知りませんでした。
ある朝、ドプソンが作業のためにトラックから飛び降りてその小さなファン(ブルックリン)に挨拶しているとき、近所の人はこの様子をカメラに収めなければ、と思いました。近所の人たちは誰も2人に何があったのか知りませんでした。
デルヴァー・ドプソン、地域住民と顔なじみ
デルヴァー・ドプソンは、イリノイ州ブルーミントンで何年もゴミ収集の仕事に携わっていました。曜日ごとに決まった地区を回るため、その地区の住民はドプソンの顔を覚えていました。
ドプソンのことを個人的に知っている人はいませんでしたが、毎週、このゴミ収集作業員に会うのを楽しみにしている少女がいました。それがブルックリン・アンドラックだったのです。
ブルックリン、ドプソンの大ファン
ドプソンは毎週木曜日、3歳のブルックリンの家の前を通るのですが、ブルックリンがいつも家の窓からのぞいているのを知っていました。そこで、その家の前を通り過ぎるとき、ドプソンは大きなクラクションを鳴らして手を振っていたのです。
しかし、このゴミ収集作業員がなぜその家の前でクラクションを鳴らしていたのか、その理由を誰も知りませんでした。
毎週木曜日の楽しみ
その女の子は、ドプソンが大きなゴミ収集車で通りを走るのを見るのが大好きでした。実は、木曜日の朝、それが彼女の一番の楽しみでもあったのです。ブルックリンは、ドプソンの一番のファンでした。
そして毎週木曜日にドプソンのゴミ収集車が通るのを見るのがあまりに好きだったので、何か特別なことをしたいと思ったのです。
一週間の中で一番好きなこと
ドプソンが通るのを待って、手を振るのがブルックリンの一番の楽しみでした。ブルックリンの母親のトレイシーによると、「ブルックリンにとって、笑顔で手を振ってくれるドプソンは大好きなゴミ収集作業員さんだったのです。」
こうして木曜日の朝、笑顔で手を振り合う2人のちょっとしたやりとりは何週間も続きました。しかし、ブルックリンは、手を振り合うだけでなく、ゴミ収集作業員のおじさんと実際に会いたがっていたのです。
ブルックリン、ドプソンに夢中
トレイシーは家の中でドプソンを待つのではなく、ドプソンのゴミ収集車を少しでもよく見えるようにと、ブルックリンを外に連れ出しました。
「それからは、ドプソンさんのことばかり考えるようになりました。『ゴミ収集車 』ではなく、興味は完全に『ゴミ収集作業員のおじさん』に移っていました。」
お次は:ほぼ完璧な誕生日パーティー
その後、ブルックリンの誕生日がやってきました。その日はほぼ完璧な一日でした。ある重要な点を除いては。というのも、その日は水曜日だったので、ゴミ収集作業員は家の前を通らなかったのです。
しかし、この少女と母親はある計画を立てていました。ブルックリンにとって大切な日だから、ドプソンに一緒に祝ってもらおうと考えていました。
トレイシーとブルックリン、ドプソンと一緒にお祝いを
次の日は木曜日、つまりドプソンが近所を通る日でした。ブルックリンは待ちきれませんでした。もう誕生日は終わったのですが、母親と一緒に外に出て、ドプソンにちょっとしたおすそ分けをする準備をしていました。
ドプソンがいつものようにゴミ収集車で家の前を通りました。トレイシーが「こっちに来て」とドプソンに合図したとき、彼は思わず笑みがこぼれました。
照れて言葉が出ないブルックリン
ブルックリンは前日のパーティーで作ったカップケーキを持って待っていました。大好きなドプソンに、一緒にお祝いしてもらいたい!と思ったのです。
照れ笑いを浮かべながら、ブルックリンはカップケーキを渡します。しかし、ついにヒーローと対面したにもかかわらず、何も言うことができませんでした。トレイシーは「らしくない」と語っています。
感激のあまり、言葉が出ない
インタビューの中でトレイシーは、「母親として、娘がついに大好きなドプソンさんに会うことができたことがどれだけ嬉しかったか、言葉では言い表せないほどでした。」と語っています。
「ブルックリンは憧れの人に会えた感激で、一言も話すことができませんでした。なので、私が代わってすべてを説明しなければなりませんでした。普段はとってもおしゃべりなのに。」
それでも、最高の1日に
ブルックリンは、ドプソンに何も言うことはできませんでしたが、大好きな人に会えたことに、とても感激していました。
「毎週木曜日は私たちにとって特別な日だから、手を振ってくれたり、クラクションを鳴らしてくれたり、本当に感謝していることを伝えました。」と、トレイシーは語っています。
「ママ、すごくうれしい」
ドプソンが去った後、トレーシはブルックリンはどう思ったのだろうかと考えていました。普段おしゃべりなブルックリンがとても静かだったのです。「その後、私たちは保育園に向かったんです。」とトレイシーはインタビューに答えました。
「ブルックリンは後部座席でいつになく静かにしていました。大丈夫かと聞いたら、『ママ、すごくうれしい』って言ったんです」。
もう1つのサプライズ
ドプソンに直接会うことができて、ブルックリンにとっては最高の1日となりましたが、2人の友情は始まったばかりでした。1週間後の木曜日、大好きなゴミ収集作業員はいつものように近所を通りかかりました。
この時、ドプソンはブルックリンを喜ばせるようなサプライズを用意していたのです。
ドプソン、大きな箱でサプライズ
いつものように庭から手を振るブルックリンとトレイシーを見て、ドプソンは車を停めました。トレイシーはどうしたのだろうかと思っていましたが、その時、ドプソンが背中に隠しているとても大きな箱が目に入りました。
満面の笑みで、ドプソンはブルックリンにその箱を手渡しました。それは、遅ればせながらブルックリンへの誕生日プレゼントだったのです!
ブルックリン、大好きなアニメのおもちゃにビックリ
箱を開けたブルックリンの目が輝きました。箱の中には、大好きなディズニー映画「アナと雪の女王」のおもちゃがたくさん入っていました。エルサとアナの絵が描かれたものばかりで、ブルックリンはこれ以上ないほど大喜びしていました。
思いがけないサプライズに、トレイシーとブルックリンは、何かこのお礼をしなければと思いました。
「デルヴァー、ありがとう」
ブルックリンは、ドプソンがくれた素晴らしい「アナと雪の女王」のプレゼントに感謝するために、何をしたいかをじっくりと考えました。そしてついに、完璧な計画を思いついたのです。その週の木曜日、ブルックリンは母親と一緒にドプソンのところへ走りました。
そこで彼女は、さまざまな色で大きく「Thank you Delvar(デルヴァー、ありがとう)」と書かれた手作りのポスターを手渡したのです。
ポスターは特別な場所に
お礼など期待していなかったドプソンは、言葉を失いました。手作りのポスターを手に、目には涙を浮かべていました。そして、そのポスターをどこに貼るかを決めたのです。
ドプソンは近所の人たちにも見てもらえるよう、トラックに貼ることにしたのです。
ちょっとした有名人に
近所の人たちは、ゴミ収集作業員とブルックリンの友情のことなど知りませんでしたが、毎週毎週、2人の心温まるやりとりは続き、それを見かける人も増えました。
その結果、ドプソンは近所の子どもたちにもちょっとした有名人になっていったのです。
子ども好きなドプソン
家庭人で子ども好きなドプソンは、ブルックリンのような子供たちを笑顔にするために、できる限りのことをしていました。そして、世界中の人々が見ることができるようその姿はカメラに収められたのです。
ドプソンとブルックリンの友情を撮影した動画が話題になったとはいえ、ドプソンが子どもに対してそこまで思いやる理由は、ソーシャルメディアの名声ではありませんでした。
ゴミ収集作業員から不動産業者へ
ブルックリンとの美しい友情も、ゴミ収集作業員としての仕事も、大切な過程ではありましたが、実はドプソンが本当にやりたかったことは他にありました。夜、ドプソンは不動産業者の試験に合格するため、ひたすら勉強していたのです。
そして、ドプソンはついにネバダ州の不動産業者になることができました。しかし、ドプソンのストーリーはこれで終わりではありません。
ドプソンは講演者に
ブルックリンや近所の子どもたちとのやり取りからも分かるように、ドプソンは生きること、そして人を幸せにすることに情熱を注ぎたいと思っていました。
さらに人を助けたいという気持ちから、ドプソンはモチベーショナル・スピーカー(意欲を起こさせる講演をする人)となり、「エレゴン206」運動で大きな役割を果たすこととなったのです。ドプソンは言葉の力で、さまざまな背景を持つ人々に勇気を与えています。
ただの挨拶が、人助けに
9歳のクリン・スケールズには、ヒーローと呼べる人がいました。それは毎日近所を巡回することになった地元の警察官でした。その人が毎日、何時頃に家の前を通るかが分かると、その時間にクリンは窓際に座って待ちました。そしてその警察官が近くを通ると、クリンは嬉しそうに手を振って挨拶していたのです。
警察官も手を振り返してくれました。2人は毎日こうして挨拶を交わし、クリンにとっての辛い日々を少し明るくしてくれていたのです。そう、クリンの住む地域を毎日警察官が巡回しているのには理由があったのです。クリンの家は決して裕福ではありませんでした。
クリンの住む地域は治安が悪かった
クリン・スケールズは、ミズーリ州カンザスシティで育ちました。1990年代、クリンはまだ幼かったにもかかわらず、不在がちな母親に代わって2人の弟の面倒を見ていました。一見したところ、クリンはどこにでもいる普通の女の子のようでした。
しかし、その生活は決して普通とは言えませんでした。クリンの住む地域はとても治安が悪かったので、毎日、警察官が家の前を巡回してくれるのが楽しみだったのです。クリンにとってはそうした環境にいることが事実であり、それを受け入れて暮らさざるを得なかったのです。しかし、この警察官とのやり取りのおかげで、クリンは人生で最も困難な時期を乗り切ったのでした。
クリン、幼い弟たちの面倒を見なければならない
クリン・スケールズが兄弟と一緒に育った家は、荒れた地域にありました。子どもが育つには不向きとも言える地域でしたが、どうしようもない現実だったのです。
さらに悪いことに、クリンの母親はほとんど家におらず、家族の生活を支えるために長時間働かなければなりませんでした。そのため、クリンは1日の多くの時間を弟たちの世話に費やさなければなりませんでした。これは、まだ9歳の子どもにとってとても大変なことでした。
幼いクリン、弟たちの母親代わりに
親がいない家で、一番年上のクリンは弟たちに何か食べさせなければならないため、危険な地域を歩いてセブンイレブンに行っていました。しかし、必要なものを買うお金もなく、幼いクリンは生きるために食べ物などを盗まざるを得ませんでした。
クリンとその弟たちの人生が辛いものだったろうと考えるだけで胸が痛みます。子どもは子どもらしく育つべきで、本来はこんな心配や生活を過ごすべきではないはずなのです。クリンは弟たちの母親代わりとなり、そのために自分のことを後回しにして、弟たちのために必要なことは何でもしていました。
警察、クリンに気づく
地元の警察がそんな生活を強いられていたクリンに気づくまで、そう時間はかかりませんでした。警察はこの不運な家族について調べました。中でも、ある警察官は特にこの家族のことを気にかけるようになります。
その警察官は毎日クリンの家の前を通るようになります。そして、それがクリンにとって暗い世の中を照らす光となりました。この警察官の存在こそが、クリンの人生に大きな変化をもたらすこととなったのです。しかし、この警察官は自分がクリンの人生を救うことになるとは思ってもいませんでした。
警察官、クリンを守ると誓う
その警察官は、毎日クリンの家の前を通って、クリンの安全を確認しただけでなく、「自分はクリンを守るためにいるんだよ」と伝えていました。今ではすっかり成長したクリンですが、「どんな悪い状況でも、『ここにいるよ』と言ってくれた警察官の姿を思い浮かべていました。」と言います。
この献身的な姿勢が、クリンが最も辛い時期を乗り越える心の支えとなりました。「この言葉は、幼少期の人生で最悪とさえ思えた時期にも私を支えてくれました。」その後、この約束は果たされ、世界にはまだ良いことがあるとクリンは知ることになったのです。
日頃の日課が警告のしるしに
幼いクリン・スケールズは、この新しい警察官にすぐに親しみを覚えました。「彼は、私が子どもの頃に信頼した唯一の大人でした。」クリンは毎日この警察官に挨拶するのが大好きで、警察官もクリンに手を振り返すのが日課となりました。ある日、クリンがいつものように手を振りに姿を現さなかったとき、警察官は何かがおかしいと思ったのです。
巡回中に手を振り合うのが日課になっていたはずなのに。クリンが住んでいる地域の治安の悪さや、クリンが「母親」として弟の面倒を見ていることを考えると、いつものように姿を見せないのは、何かがおかしいという警告だったのです。
警察官、家に足を踏み入れる
警察官は慎重に、直感に従ってクリンの家に近づきました。ドアを開けた彼の目に飛び込んできたものは、悲惨なものでした。幼いクリンが床に横たわって、息もできないほど苦しんでいたのです。
すぐさま警察官はクリンを救急病院に運びましたが、そこで彼にできることは待つ以外にありませんでした。結果的にクリンの命は助かりましたが、当時、何が起こっているのかわからないまま救急処置室の外でなすすべもなく待つことが、どれほどつらいことであったかは想像に難くありません。
クリン、健康体に
幸いなことに、この警察官の機転でクリンの命は助かりました。病院では、クリンがひどい栄養失調に陥っていることが判明しました。もしあの時、倒れているクリンを見つけなかったら、今ごろ彼女は生きていなかったかもしれなかったのです。
この出来事からまもなくして、クリンは家族とともにテキサス州に引っ越していきました。クリンは、自分の命を救ってくれたこの警察官にお礼を言うこともできませんでした。ただ、何事にも遅すぎるということはありません。クリンは20年後、名もなきヒーローの行方を追うことにしたのです。
クリン、インターネットを使って人探し
クリンがヒーロー探すために最初にしたことは、自分の体験をネットに投稿することでした。誰が見るかわからないけれど、もしかしたら、と楽観的に考えていました。そして、ジェニファー・ジョーンズのコメントを見たとき、そのやり方で正しかったことが分かりました。
ジョーンズはカンザスシティ警察の巡査部長で、クリンの投稿した体験を読み、この警察官を知っているような気がしたのです。果たしてクリンは、幼い頃のヒーローの正体を知ることができるのでしょうか。人探しはこんなにもあっさりと終わったのでしょうか。
名もなきヒーローの正体が明かされる
2016年、ジェフ・コルヴィンという警察官にジェニファー・ジョーンズからメールが送られてきました。メールには、クリンがネットに書きこんた物語について書かれていました。ジョーンズは、コルヴィンが勤務していた署の通りに住んでいた少女が成長し、「守護天使」を探していると説明したのです。
コルヴィンはすぐに誰のことだか分かりました。自分が命を救った少女が無事に成長できていたことも知ることができたのです。長年心の奥に引っかかっていた心配と疑問は、喜びと幸福に変わりました。
コルヴィン、大喜び
クリン・スケールズがジェフ・コルヴィンのことを忘れていなかったように、コルヴィンもまたクリンのことを忘れていませんでした。コルヴィンは「クリンのことを考え、あれからどうなっているのか気になっていました」と話しています。今、コルヴィンはクリンのその後を知ることができたのです。
クリンが無事に成長したことを知って、コルヴィンは嬉しくなり、これ以上ないほどの幸福感に包まれました。そして、クリンが自分のことを覚えていてくれて、探そうとしてくれたことに、信じられないほどの感動を覚えたのです。さて、あとはクリンと再会するのみです。
涙の再会
あれから互いがどうだったのかも分からず、20年ぶりに再会したコルヴィンとクリンは感無量でした。クリンは、幼い頃のヒーローとの再会に涙を流しました。こんな風にまた会えるとは思っていなかったのです。
コルヴィンの人生もまた、この再会によって大きく変わりました。長い間、警察官としてつとめていたものの、成功よりも失敗の方が多く、仕事への情熱を失いつつあったのです。クリンとの再会は、そんな心に再び火を灯すことになったのです。
コルヴィン、仕事への情熱が再び
ジェフ・コルヴィンは20年ぶりにクリンに会い、失いつつあったこの警察官としての仕事への情熱を取り戻すことができました。「私たちの仕事は、誰かの役に立ったという実感を持てずに終わってしまうことがほとんどです。自分は正しい道を歩んでいるのか、自信を失いつつありました。」
そんなときにクリンと再会し、コルヴィンは、自分がやってきたことは正しかったことを確信しました。さらに、コルヴィンはクリンの人生にもっと影響を及ぼしていたことを知ったのです。
クリンの仕事
幼い頃のヒーローに触発されたクリン・スケールズは、ヒューストン警察に応募したことをコルヴィンに明かしました。クリンはコルヴィンのような警察官になり、周囲の人々の生活に良い影響を与えるために働くという道を歩むことに決めたのです。
サプライズはこれだけではありませんでした。というのも、クリンはこの再会を20年来夢見ていたのです。コルヴィンは、彼女にとって幼い頃のヒーローであり、人生の道しるべを示してくれただけでなく、彼女にとっては父のような存在でもありました。そんなコルヴィンに、もうひとつ伝えたいことがありました。
コルヴィンへの感謝のしるし
クリンは幼い頃に自分を救ってくれたヒーローの名前を知るとすぐに、「本当のヒーロー、ジェフ・コルヴィン巡査」と彫ったブレスレットを作りました。クリンは自分のヒーローでもあり、友人でもあるコルヴィンを称えるために作ったと言い、コルヴィンを自分の「守護天使」だと思っていることを、改めて伝えました。
クリンとコルヴィンのストーリーは、警察官が地域社会や住民に与えるポジティブなパワーを証明しています。警察官によって人生を変えられた人は、クリンだけではありません。
クリンのストーリー、話題に
警察署にとって、地域社会への働きかけほど大切なものはないと考えているミズーリ州のカンザスシティ警察は、このストーリーをオンラインで共有しました。クリンの話はまたたく間に広まり、多くの人が警察官に関する素晴らしいストーリーを共有し始めたのです。
当然のことながら、コメントした人の中には、コルヴィン巡査部長が自分にしてくれた話を紹介する人もいました。結局のところ、コルヴィン巡査部長が救ったのはクリンの命だけではなかったのです。コルヴィンはカンザスシティのヒーローでした。
圧倒的な「いいね!」の数
現代社会では、残念ながら人々が警察官に必ずしも尊敬の念を抱いているわけではありませんが、クリンとコルヴィンのストーリーについた「いいね!」の数は驚くべきものでした。コメントには「私はすべての警察官を尊敬していますが、中には無私無欲で地域のためにつとめを果たしてくれている人もいます。」というものもありました。
正にジェフ・コルヴィンがそうでした。クリンが辛い状況にあるときに、コルヴィンほど、毎日巡回してクリンを安心させてくれた人はいませんでした。そして、それこそ警察官が敬意を払われるべき理由なのです。成長した今、クリンは地域社会にこの恩返しをすることを人生の使命としています。
クリンの未来は、過去を反映したもの
将来の計画について語るクリンは、自身の過去と切り離して考えることはできないと言います。「いつか誰かのヒーローになったり、あなた(コルヴィン)が私にしてくれたようにポジティブな影響を与えることができたらと思っています」。現在、スケールズには2人の子どもがおり、まずはその子たちの生活にポジティブな影響を与えることから始めようと思っていると語っています。
そして、新しいキャリアで、さらに大きなヒーローになろうと考えています。コルヴィンの行動は、暗闇の中にも光があることをクリンに教えてくれました。そして今、クリンは自分の仕事を新しい世代に希望を与える「恩返し」だと考えています。
ハッピーエンド
ジェフ・コルヴィン巡査部長とクリン・スケールズのストーリーは、悲しみを幸せに変えるものです。このストーリーは、世界にはまだ善があり、善であろうとする人々がいることを証明しています。これは、特に困難な時期には、実は忘れてはならない重要なことなのです。
警察学校を卒業し、2018年6月、クリンは正式に警察官になりました。クリンを特に応援していたのは誰でしょうか?ジェフ・コルヴィン夫妻、そしてジェニファー・ジョーンズは揃ってクリンの快挙を祝福していました。