どんな時も、愛する人に何かすごく心に残るものを贈りたいと思う人は多い。その贈り物がショッピングモール内にあるすべてのお店を回って見つけたものであろうと、手作りしたものであろうと、愛する人を喜ばせようと労をいとわない気持ちは同じだ。
「大切なのは気持ち」だと言われている。これが本当なら、今回ご紹介する男性は、最高の贈り物をした人の1人だ。さて、この男性は愛する彼女に一体何をあげたのだろうか、そして、どんな秘密を隠していたのだろうか。
付き合ってもうすぐ1年
オーストラリアに住むアナとテリーは、交際を始めて1年くらいが経っていた。およそ4年間の友人期間を経てから交際をスタートさせたということもあり、2人の関係はとても良好だった。
間もなく付き合って1年目を迎えようとしていたため、テリーはこの特別な機会にアナが喜ぶ何かをサプライズでプレゼントしたいと考えた。そこで、アナのために慎重に計画を練っていった。
何か新しいことに挑戦
テリーは自分が「器用」だとも、ものづくりが得意だとも思っていなかったが、アナに特別なプレゼントを贈りたかったため、これまでにやったことのないことでも挑戦しようと思った。付き合って1年となる記念日に、アナのために手作りしたものをプレゼントしたかったのだ。
さらに、アナを驚かせるもう1つの計画も練っていた。
何を作ろうか
インターネット上には、手作りをしようとする人に向けて、素晴らしいプレゼントのアイデアが多く公開されているものの、テリーにはすでに考えがあった。愛しいアナのためにネックレスを作ろうと思っていたのだ。たくさんの時間と労力をかけて満足のいくペンダントトップを作ったテリーは、チェーンを購入した。
ペンダントトップをチェーンに通したとき、世界に1つの、アナのためだけのアクセサリーが完成したのだった。
賢く材料を選ぶ
木を使って手作りするには材料選びも大切だ。木材には何百という種類があるが、どんな木材にも良いところと悪いところがある。見た目にも好みがあるし、扱いやすいものや扱いにくいものもある。そのため、作る人によって選ぶ基準もさまざまだ。
テリーは、タスマニア産の材木を選んだ。濃い色で表面が滑らかな硬材は、よく高級家具や小さな小物作りに使われている。つまり、今回の特別なプレゼント作りにピッタリだ。
何かを中に隠す
タスマニア産の材木からネックレスを手作りするのは、簡単な作業ではなかった。デザインを決めると、テリーはすべてのパーツを削りとった後、接着剤でつなぎ合わせなければならなかった。テリーの考えていたネックレスは、シンプルな円形など、簡単なものではなかったのだ。
単に見た目が美しいだけでなく、何かを中に隠せるようにデザインされていたのだ。そう、それこそが正にアナにとって大切なものになる。
ついに記念日がやってきた
テリーは記念日にアナを夕食に誘いだそうと考えた。雰囲気の良い食事中に、特別なプレゼントを渡そうと思ったのだ。ネックレスを渡す準備をしているときはワクワクしていたものの、いざその時がくると少し不安にもなった。
というのも、身につけるアクセサリーには好みがある。もしアナが手作りのネックレスを気に入らなかったら…不安は募った。
手作りのプレゼントを見せる
その晩、アナとテリーは美味しい食事に舌鼓を打ち、共に楽しく時間を過ごした。そして、ついに最後のお皿が下げられると、アナにプレゼントを渡す時がやってきたのだ。
緊張に震える手でコートのポケットに手を入れると、箱を取り出した。そして、中身が見えるように箱を開けて見せた。果たしてアナはこのサプライズを気に入ったのだろうか。
ネックレスを気に入ってくれた!
ふぅ。アナはテリーが手作りしたプレゼントを喜んで受け取った。ネックレスは美しく、テリーが自分のために時間も労力も費やして作ってくれたという事実がアナには何よりも嬉しかったのだ。
すぐにこのネックレスを身につけると、この特別なプレゼントをアナは大切にすると誓った。テリーは一生懸命頑張って良かった、と嬉しく思った。
愛のしるし
このネックレスはテリーがアナのために手作りしたものだったため、アナはとても大切に扱った。アクセサリーというよりはむしろ、この特別な記念日を共に祝うにふさわしい愛のしるしだった。
それからというのも、アナはいつもどこに行くにもこのネックレスをつけていた。首から外して手で取ってみるということもなかったため、中に隠された秘密にまったく気がつかなかった。
2つ目の秘密
交際1周年の記念日にアナに渡すまで、テリーはネックレス自体についても秘密にしていたが、実は、このネックレスの中にも秘密が隠されていた。そして、テリーはその秘密をすぐにアナに明かすつもりはなかった。
テリーがこの秘密を伝える諸々の準備をする前にひょんなことからアナが秘密に気づいてしまうと、2人の関係性は変わってしまうかもしれなかった。このネックレスを常に身につけていたアナだったが、どうかアナがこの秘密に気づきませんように、とテリーは願っていた。
ばれてしまう可能性も
当然のことながら、アナは友達にネックレスを見せた。愛しい彼氏が手間ひまかけて特別に作ってくれた美しいネックレスだ。少し自慢したい気持ちにもなるだろう。
ここで問題なのは、アナが友達に見せようとネックレスを外して手渡したりするうちに、中の秘密に気づく可能性が上がってしまうということだ。もちろん友人らは、アナから手渡されたネックレスを触りたがった。
近くにいない友人にも
アナとテリーの友人全員がオーストラリアに住んでいるわけではなかった。そのため、Zoomを使って遠方に住む連絡を取ることも多かった。アナがいつも首につけていたこともあり、動画で通話する相手はたいていアナのネックレスに気がついて、褒めてくれた。
アナの親友の1人であるソフィアは、数年前にオーストラリアを離れ、スコットランドに移住していた。月に1度以上必ずZoomで連絡を取り合う仲だったが、アナはソフィアにネックレスを見せたくてたまらなかった。
秘密、バレないまま
記念日から数ヶ月間、特に何ごともなく過ぎていった。アナは相変わらずネックレスをいつも身につけていたが、幸いにもネックレスの中に隠された秘密に気づかないままだった。いつアナがネックレスの中身に気づくかヒヤヒヤしているテリーにとって、これは救いだった。
この頃までに、アナの友人らはネックレスを見慣れていたため、前ほどネックレスを触りたがることもなくなっていた。それでもテリーは、秘密がバレないようにと願い続けていた。
いつもアナの首に
アナはずっとネックレスを身につけたままにしていたため、記念日以降に撮った写真には必ずネックレスも写っている。ビーチに旅行に行ったときの写真にも、毎日通っているジムで撮った写真にも、家族が集まったときに撮った写真にも、すべての写真において、テリーの愛のしるしであるネックレスが首にかかっている。
これはアナがネックレスをプレゼントされてから間もなくして、家族で集まったときに撮られた写真だ。この写真を見ても、この特別なアクセサリーがかけがえのない大切なものだということが分かる。
さぁ、休暇へ!
さらに数ヶ月が過ぎ、アナとテリーは休暇のためにどこかに一緒に出かけることに決めた。2人とも旅行が大好きだったが、その費用がかかるため、しばらく旅行に行けていなかったのだ。
そして、間もなく旅行に行けることに喜んでいた。初めて遠くに一緒に行けるのだ。もちろん、特別な旅行にしたかった。さて、行き先はどこにしたのだろうか。
アナが飛行機を怖がるため、選択肢は限られていた
アナは飛行機恐怖症だった。幸い、オーストラリアは国自体が大きく、車やバスで行ける楽しい行き先がよりどりみどりだ。
テリーは少し遠いところへ行きたいと考えていたが、アナと一緒に休暇を過ごせるだけでも幸せだと思っていた。結局のところ、飛行機を使わなくとも、ワクワクする行き先はたくさんあった。
人間関係のカギは譲り合いの精神
深い人間関係を築くカギは、問題が起こったときに当人同士が妥協することができるかどうかにある。テリーはアナが飛行機を怖がらなくていいように、他の国に旅行するのを諦めた。
その代わり、アナとテリーはあちこちに寄りながらロードトリップを楽しむことにした。バスに乗って、これまでに行ったこともないような場所を含め、オーストラリアの大部分を見ることができるのだ。
楽しい休暇
テリーとアナはロードトリップであちこちに寄りながら、特別な時間を過ごした。これこそ、正に2人に必要だった休暇そのもので、2人は楽しい時間を過ごした。2人は互いに愛し合っていたし、テリーはこの先もずっとアナと過ごしたいと思っていた。
しかし、アナの首にかかっているネックレスの中には秘密が隠されたままになっていた。どんなに楽しく過ごしていても、常にこの秘密がテリーの頭から離れることはなかった。
いつまで続くのだろうか
テリーは、どのくらいの間、愛するアナに秘密を隠したままいられるだろうかと考えた。一緒に楽しいときを過ごしていても、その秘密がバレやしないかといつも不安が頭から離れることはなかった。長い間秘密にしたその罪悪感がテリーの中でくすぶり始めていた。
テリーはそのうちに秘密を打ち明けようと思っていた。秘密を打ち明けてしまえば、もう心配することはないのだ。ただ、いつ秘密を打ち明けるべきかが分からなかった。完璧なタイミングでなければならない。テリーは、いつ打ち明けようか悶々とし始めていた。
さらに数ヶ月が過ぎる
そして、さらに1年が過ぎた。初めて一緒に行った旅行から数ヶ月が経ち、2人はまたどこかに一緒に行きたくてウズウズしていた。どうやら、2人で行く旅行にハマってしまったようだ!
今回、テリーはオーストラリア国外に行こうと考えていた。アナは飛行機を怖がっていたものの、今回は外国に行けるほどのお金も貯まったため、海外旅行をしようと決めていた。
さて、行き先は?
この時の旅行では、アナが譲歩した。飛行機に乗ることは怖かったが、行ったことのないところにテリーと一緒に行きたい気持ちには変わりなかった。アナは恐怖に打ち勝とうとしていた。飛行機に乗ることが怖い人は、誰しも、この恐怖に勝たなければならないのだ。
飛行機の問題が解決したため、テリーとアナは世界の国々から行き先を選ぶことにした。
もちろん、行き先は
テリーは、これまでに行ったことのないところに行きたいと思っていた。一方で、アナは怖い飛行機にせっかく乗って旅行するなら、海外に住む友人に会いに行きたいと考えていた。恐怖に打ち勝った後のご褒美にピッタリだ。こうして選択肢は絞られていった。
前述の通り、アナの親友ソフィアはスコットランドで暮らしている。そして、テリーはスコットランドに行ったことがなかった。こうして、次の旅行先はスコットランドに決まったのだった。
いざ、スコットランドへ
テリーとアナにとって、スコットランドはピッタリの旅行先だった。すべてがうまくいっていると感じたテリーは、この旅行中に秘密を明かすことに決めた。
長い間、いつ秘密を打ち明けるべきか考えていたテリーにとって、この旅行は完璧なタイミングだった。とは言え、テリーはネックレスを渡したときと同じように緊張していた。
問題は空港にあった
テリーは、アナに秘密を打ち明けるにはこのスコットランドへの旅行中をおいて他にないと考えていたものの不安だった。というのも、空港ではセキュリティチェックを通過しなければならず、そのときにネックレスの中身がばれてしまう可能性があるからだ。
空港に着き、セキュリティチェックを通過しなければならない時がやってくるとテリーはパニックになった。もし警備員がアナのネックレスを見せてくれと言ったら…。秘密はそこでバレてしまう。
空港のセキュリティチェック
近年、空港でのセキュリティチェックはこれまで以上に厳しくなっており、テリーは警備員が絶対にアナのネックレスをスキャンしたいと言うだろうと考えていた。ということは、その時にネックレスの秘密が明かされてしまう。アナとの関係性もそこで変わってしまうかもしれなかった。
幸い、アナのネックレスを見ても誰も怪しむ人はおらず、2人は問題なくセキュリティチェックを通過することができた。心配は無用だった。だが、それでもアナがネックレスの秘密に気づく可能性がなくなったわけではなかった。
ついに、目的地に到着
テリーは、空港のセキュリティチェックでネックレスの秘密がバレなかったことに安堵した。さぁ、ロマンチックでワクワクする旅行が始まった。
だが、これまで長い間そうだったように、テリーは相変わらずネックレスの秘密に頭を悩ませていた。数日以内にアナにすべてを明かそうと決めていた。だがその秘密を明かしたら、2人の関係はどうなるのか、テリーには予想もつかなかった。
スコットランドの魔法
テリーはアナとスコットランドでの時間を楽しんでいたが、ネックレスの秘密のことが常に頭から離れなかった。そして、ついにその時がきた。ネックレスの中身を取り出してアナに打ち明けるときがきたのだ。
ただ、その前に解決しなければならない問題があった。アナはずっとネックレスを首から外すことがなかったため、どうにかしてアナに気づかれずにネックレスを開けなければならなかった。
1年半肌身離さず身につけているアナ
テリーが自分でデザインして作ったネックレスを、付き合って1年目の記念にアナに贈ってからすでに1年半が経過していた。アナは初めて見たときからそのネックレスが気に入っており、ずっと肌身離さず身につけていた。
テリーはずっと長い間秘密にしていたネックレスの中身をその中から取り出す方法について頭を悩ませていた。
危険だった
スコットランドで行ってみたい場所の1つに、スコットランド北部にある洞くつがあった。2人はこの休暇中にぜひ訪れたいと思っていた。
テリーはこの時にアナのネックレスを開け、中身を見せようと考えていた。確かに危険が伴うが、これ以上先延ばしにすることはできなかった。そう、ついにこの時がきたのだ。
洞くつへ向かって
ついにその日がやってきた。テリーとアナはスコットランド北部の美しい自然を楽しめる洞くつへと向かった。お分かりの通り、テリーは洞くつに着いてから秘密を明かすことに緊張していた。
テリーが明かそうとする秘密にアナがどのように反応するだろうか。この後、2人の関係は劇的に変わろうとしていた。テリーはすべてがうまくいくことを願っていたが、それでも反対の結果となったらどうしようかという不安もあった。結局のところ、計画はあくまでも計画で、その結果がどうなるかなど分からないのだ。
場所を選んだ意味
2人はついにスコットランド北部の目的地「スムー洞くつ」に到着した。テリーは後にハフポスト誌にこの洞窟を選んだ理由について説明している。
「なぜスムー洞くつを選んだかというと、初めてアナと出会ったときに行きたいね、と話題にのぼったからなんです。『スムー』という言葉は古ノルド語で『隠れ場所』という意味だそうです。そういった意味からも、秘密を明かすのはここにしようと思いました。」そう、2人の思い出となる場所にはピッタリだ。
巧妙なお願い
テリーはインディペンデント紙にこの時のことを回想して答えている。「実際に洞くつに下りていく前に、ごつごつした岩の横にネックレスを並べて写真を撮りたいからネックレスを貸してくれないかとアナに頼みました。アナが見てないうちに、ナイフを使ってネックレスの密封してある箇所を開けようと思っていました。」
アナは写真を撮りたいというテリーに何の疑問も抱かず、ネックレスを外すとテリーに手渡した。
ネックレスの写真を撮ってから…
テリーはこっそりとネックレスを開けると、中身が無事に入っていることを確認した。その後ネックレスをポケットにしまうと、アナにこう言った。
「あぁ、ごめん、ネックレスを返すのを忘れてたね。」努めて何でもないことのように言ったが、実は数週間も考えたシナリオだった。そしてネックレスを返そうと手にしたテリーは、アナが思いもよらなかった行動に出る。
何をしようとしているのだろうか???
テリーはポケットからネックレスを取り出すと、突然アナの前にひざまずいた。ネックレスに隠していた秘密を打ち明けるときがきたのだ。目の前でネックレスを開けて見せると、口を開いた。「僕と結婚してくれない?」
テリーはインディペンデント紙にこう語っている。「アナは混乱し、びっくりしたまま立ち尽くしていました。そしてやっと状況を理解すると、『もちろん!』と答えて僕に飛びついたんです。」
ずっとネックレスの中に隠されていた指輪
テリーはアナの指に豪華な婚約指輪をはめた。指輪はどこから出てきたのだろうか。「プレゼントしたネックレスの中にずっと指輪が入っていたということをアナが理解するまでちょっと時間がかかりました。」とテリーは明かす。
もちろん、アナの答えはYESだった。アナは何が起こったか信じられない思いでいた。恋人が結婚しようと言ったのだ。天にも昇るような気持ちだった。
もしネックレスを落としてしまったら?
だが、アナは自分がネックレスごと指輪を紛失してしまいかねなかったことに気づくと怒り出した。「アナはカンカンに怒っていました。『ちょっと待って!今までずっとこの中に入ってたってこと?無くなっちゃったかもしれないじゃないの!』ってね。」とは言うものの、アナは喜び、興奮していた。
テリーはアナの反応は、「喜びと怒りが混ざってて、面白かった」と語っている。2人は今や婚約者となったのだ。長いことこの瞬間を待っていたテリーは、ホッと安堵すると共に、嬉しさでいっぱいだった。
その後の2人
このプロポーズ作戦がインターネット上で話題になった後、テリーはアナとの将来計画について明かしている。「いつか庭付きの家を買って、友達や家族を招いて僕らにふさわしいリラックスした雰囲気の中で結婚式を挙げたいと考えています。豪華で盛大な結婚式というのは、ちょっと合わないかなと思うので。」
結婚式だけでなくその後の2人の生活についても、どうしていきたいのかについて、すでに計画しているようだ。
今後の計画の状況
テリーはアナにプロポーズするまで随分長いこと待っていたが、もう少し待たなければならなくなったようだ。近況をレディットにアップデートすると、多数のレディットユーザーから、その後2人がどうなったのか知りたがるコメントがたくさんついた。
「まだ結婚していません。(最初は家族の健康状態のため結婚式を延期しなければなりませんでした。その後、コロナウイルスのまん延のせいでまた延期になっています。そのうち良いタイミングでしたいと思っています。)」とテリーはコメントを残している。
なんて返したらいいのか…
友人や家族にテリーのプロポーズの話が知れ渡ると、からかわれることもあった。「ちょっと机や鶏小屋を作ろうと思って木材を使っているだけで、『今度は何を隠してるの?』って冗談を言われますが、(それに対する)面白い返しがまだ思いつきません。」どうやら家族や友人とも楽しく過ごしているようだ。
そのうち、友人らの冗談にもうまく返せるようになるだろう。そして、2人が末永く幸せになりますように!