水が凍ってしまうような状態の天候では、氷の下に何が眠っているのか誰にもわかりません。今まで膨大な時間をかけて、人類は、ツンドラの永久凍土を掘り起こしては、信じられないような発見に出くわしています。中には、マンモスのような想定外のものが出てきたり、謎解きが必要なものなも出てきます。
こういった品物や動物などの発掘物により、人類は想像もしていなかった歴史を垣間見ることができるのです。それでは、氷の中で眠っていた素晴らしい発見物を見ていきましょう。
マンモスの脳
科学者が氷の中から毛の生えたマンモスを発見することは、珍しいことではないのですが、そういったマンモスは通常脳が残っていません。そのため、ラプテプ海で見つかった子供のマンモスの氷漬けの発見は、とても価値があったのです。
この生き物は、3万9千年ほど前にいた脳の残っていた貴重なマンモスの一つなのですが、残念なことに、研究者がわかったのは、このマンモスの年齢だけで、6歳から9歳と見積もられています。
氷の中でも生きていたアリゲーター
氷の中にいるものすべてが死んでいるとは限りません。科学者が、凍っていた湖の中から鼻を突き出していたアリゲーターを見つけたとき、それを学んだのです。湖とアリゲーターが凍っていたにもかかわらず、そのアリゲーターは、息をしていて、ちゃんと生存していたのです。
アリゲーターの中には、凍り付くような寒い環境でも、冬の間は、冬眠状態に入り、内臓器官などを保存するようなことができる種類のアリゲーターもいるのです。そうして、氷が解けて、水に戻ると、またアリゲーターは起きだして、静かに獲物を狙いに彷徨うのです。
時間を失った飛行機
氷になかに埋もれているものすべてが、何千年も前のものとは限りません。中には、100年もたってないものもあるのです。1952年にアラスカへ向かっていた軍用機が氷河で墜落して、そのまま行方不明になっていました。
それから50年もの間、その飛行機は氷河で埋もれていたのです。その飛行機の状態は、あまりよくなく、救出作業は不可能だったようです。氷が十分解けて機体が現れれば、その墜落した飛行機も取り出されて、何が起こったのか本当のことがわかることでしょう。
ミイラ化した恐竜
氷の中で凍って保存されているのは、なにもマンモスだけではありません。ミイラ化したノドサウルスのような、推定1億1千年前のもっと古い時代の生物も発見されているのです。この驚くべき良い状態で保存されていた恐竜は、白亜紀に生きていたものです。
その恐竜は、食うか食われるかがすべての世界で生きていたもので、生存競争に残るために、体に大きなとげをはやして身を守っていたのです。こういった標本が見つかることで、科学者は、先史時代にどんな形をしていたかを詳細に表すことができるのです。
金属の矢じり
科学者は、古代の文化を研究しているときに、氷の中に埋まっていた銅で作られた矢じりを発見して驚かされました。この金属でできた矢じりが見つかったことで、すでに技術を理解するだけの文化があったことを示唆しているのです。
この社会は、自分たちの武器を鍛錬する技術を有していて、現代の釣り針と似たような武器を用いて効率的に狩猟を行っていたようです。このような狩猟生活を基盤にした文化は、土地を徘徊していた時代には、特に有効的でした。
バイキングの装備
科学者は、3千年以上も前のバイキングの装備一式をノルウエーで発見しました。その装備は、おちらこちらで見つかり、棒、皮の靴、そして弓矢などがありました。見つかったもののほとんどが、トナカイから作られたものでした。
トナカイを捕獲する罠も見つかったことにも納得がいきます。このことからも、バイキングは、棒を緩く結んで、揺らすというコンセプトもあったようです。棒を揺らすことで音を出して、トナカイの群れを分断する方法も知っていたようです。
赤い氷
南極大陸には、血の滝と呼ばれる氷河から、その名の通り赤い水が流れ出している場所があります。心配しないでも大丈夫ですよ。恐怖映画のようなものではなく、その水は、鉄分がとても多いためにそう見えるのです。
不思議なのは、その鉄分の多い赤い水の鉄が、一体どこから来ているのか誰も知らないことです。わかっているのは、十分赤い水が湧き出ていて、地球上で最も興味深い光景を作り出していることです。
木々でいっぱいの森が氷の下に
驚くべきことに、氷河の氷の中にたくさんの木が埋まった森も存在するのです。通常、氷河が形成されるときには、そのあたりのものは、大体粉砕されていくはずなのですが、時には、岩や堆積物などがたまって、氷堆石と呼ばれるものになります。
その氷堆石が、氷河が形成されるときに、木々のクッション代わりとなって、木々が地面に残った状態にしてくれるのです。氷河の中には、森全体が良い状態で保存されていて、氷河が解けたときに、また姿を現して、花を咲かせることでしょう。
戦争の現実
第一次世界大戦の一部は、アルプスでも繰り広げられました。これらの凍った塹壕は、兵士たちにとって危険な場所となりました。多くの兵士が、凍傷にかかり低温による病気にかかったりしました。酷いケースだと、兵士の中には、戦争で戦死するのではなく、そのまま凍死してしまうこともあったのです。氷の中でいろいろ発見されるにつれて、奇妙なこともわかってきました。
もっと奇妙なことは、第一次世界大戦だけが、死体が雪の中で見つかった出来事ではなかったのです。その一つの発見は、オーストリアの科学者にとって歴史的な発見に繋がったのです。
アイスマン
アイスマンとして知られる5300年前の人間が氷の中から発見されたことは、とても画期的なことでした。1991年に、アイスマンは、イタリアとオーストリアの間にあるアルプスで見つかり、この二つの国のうちの一つととても特別なつながりを示してくれました。
アイスマンを調べてみてわかったことは、彼が、オーストリア人の遺伝的な先祖であることでした。また、彼が死にかけているときに、歯周病、ライム病、そして寄生虫に感染していたことなどもわかりました。
毛の生えたサイ
極寒の地で、マンモスだけが、毛の生えた動物だったのではなかったのです。今まで毛の生えたサイって聞いたことがありましたか?この毛の生えた野獣が、そう、毛の生えたサイなのです。この推定年齢18か月の見事な毛の生えたサイは、ロシアのサハで見つかりました。
サハと言えば、ロシアでも最も寒い地域の一つで、この動物が、そのような極寒の地で、どうやって生き残り、何を食べていたのか気になりますよね。
ホラアナライオン
氷河期の中でも、ホラアナライオンは有名な動物に数えられます。よく知られている別名は、サーベルタイガーで、北極圏を起源としていました。それ以外にも、世界各国で見つかっていて、イギリスでも確認されています。
最も希少な発見は、ロシアで見つかっていて、毛の生えたままの状態のサーベルタイガーの子供が見つかっています。サーベルタイガーは、一万年ほど前まで、地球上を徘徊していましたが、地球の温度変化や人間による狩猟により絶滅してしまいました。
動物の排泄物
氷河期で最も一番見つかっているのは、動物の排泄物だって知っていましたか?もちろん、とても重要な発見なんですよ!もう一度言いますが、とっても素晴らしい発見なんです!気持ち悪く思うかもしれませんが、それは動物のことを知るうえで、とても大切なものなのです。
その排泄物から科学者は、動物たちが何を食べていたとか、どんな場所に住んでいたとか、いろいろな有力な情報が得られるのです。この情報は特に、絶滅してしまった動物のことを研究する際にとても重要になるのです。
レアウッド
流水源を探しているときに、科学者は、時に、"レアウッド"を見つけることがあります。このレアウッドは、シェルターを作るときに使われていて、何キロも離れた場所からもってこられたものなのです。これは、特に貴重な発見なのです。
そのシェルターの何が特別なの?と思われるかもしれませんね。科学者によると、このシェルターは、人類が狩猟をする際に作られた簡易的な構造の建物らしいです。シェルターは、牧草地の近くで立てられ、トナカイやカリブーの群れを観察するのに使用されたそうです。
800年も前に作られた堀ネズミの棒
まず初めに、堀ネズミの棒が何か説明しましょう。その奇妙な名前の通り、これは、堀ネズミを穴の上において捕まえる罠です。小さな輪っかが棒の周りにあって、太い紐と繋がっています。
ハリネズミが巣から出たところで、その罠を仕掛けます。特に、その堀ネズミの棒は、1800年も前に作られたもので、技術を使用する以前の人間の発明品だと言えます。その罠がたくさん仕掛けられていたということは、当時たくさんの堀ネズミが生息していて、食糧として狩られていたんでしょうね。
先史時代のムース
先史時代のムースがいたことを知っていましたか?この大型の動物は、現代のムースとほとんど同じような恰好をしていて、もちろん全然違う時代に生息していたわけですが、この発見により、とても多くのことが分かったのです。
ご存じの通り、とても良い状態で保存されていた発掘された動物には、毛もしっかりと残っていて、そこからとても貴重な情報が得られるのです。特に、この動物が、どうやって何千年もの間ほとんど変わらずに生きていたかももわかるのです。
巨大イカ
2005年に、オーストラリアのメルボルン水族館は、1100万円をかけて巨大イカのサンプルを氷の中から取り出したのです。この素晴らしい状態で保存された海の生物が、浜辺に打ち上げられる前の詳細な状態が、どういったものかを教えてくれました。残念ことにほとんどの巨大イカは、長く浮遊していて、浜辺に打ち上げられた状態で見つかることがほとんどなのです。
その同じ年に、日本の研究チームが、実際に生きている巨大イカの撮影に世界でも初めて成功したのです。その巨大イカの写真は、500枚以上取られ、世界中に公開されました。
古代のバクテリア
普通、氷点下の気温では、バクテリアも死んでしまいますが、古代のいくつかの株は、そういった厳しい状況でも生き残ることができました。これらの菌株は、氷の中では、もちろん凍っていますが、一度氷が解けると、また増殖を始めるのです。
いくつかの菌株の中には、氷の中で何百万年も眠っていて、発見されたものもあります。ウイルスも同様に氷の中でも生き延びることができます。そういったウイルスのうち、シベリアの氷の中で3万年も眠っていてものが、氷が解けて再び活動し始めましたが、幸運なことに、人間には無害のウイルスだったのです。
瓶の中の特別なメッセージ
1959年に、ポール・T・ウオーカーと言う人が、氷河はいつか解けることを証明したくて、瓶の中にメッセージを入れて岩の下に埋め、いつの日か、ずっと後の時代に発見されることを望んだのでした。
その瓶は、2013年に発見され、そのメッセージに、このメッセージを見た人は、氷河のどの長さの場所でこの瓶を発見したか調べるように書いてありました。結局のところ、氷は、61メートルも解けていたのです。このことから、地球温暖化が、実際に予想されていた速度よりもずっと速い速度で進んでいたことを示しています。
凍った火山
氷の中で発見されたものの中で、一番すごいものと言えば、おそらく、このアイスランドの火山ではないでしょうか。信じられないような話ですが、アイスランドでは、気温がものすごく下がるため、火山ですら凍ってしまうのです。
そもそもこの火山は凍っているので、火山活動も全くありません。氷が解けて、気温が上昇すれば、科学者もこの火山がどうなるか予想できるでしょうね。この長い間眠っている火山もいつしか活動を始める可能性も無きにしも非ずです。
灯台全部が氷づけ
灯台全部が凍ってしまうことは、稀なことではありません。すでに何十回も起こっているのです。風や氷が何度も灯台にあたることで、数時間で何十センチ以上もの氷ができてしまうのです。つららの向いている方向を見れば、どの角度から風が吹いていたのかもわかります。写真家のトム・ギルさんは、アメリカ全土を旅して、おとぎ話のような建物を写真に収めています。
一番有名な凍った灯台は、ミシガン湖とオハイオ州の境にあり、冬になると、何百年以上も凍っているので、その重みで灯台も傾いているそうです。凍った灯台の中に、職員さんが閉じ込められないと良いのですが。
凍ったキツネ
2017年に、ドイツの猟師であるフランツ・スティールさんは、完全に氷付けになったキツを見るという奇妙な光景に出くわしました。その年、ヨーロッパは、これ以上にない大寒波に見舞われ、おそらく、そのキツネも凍った川を越えようとして、氷の中に閉じ込められたんでしょう。
スティールさんによると、冬になると、氷付けになった動物を見ることは、特に珍しいことではなく、そのキツネ以外にも、凍ったシカやイノシシを見つけたこともあるそうです。観光客は、その氷が解けてしまう前に、その凍ったキツネを見に行った方がいいかも。もちろん、もうとっくに死んでいますけどね。
二匹のムースが、まるで決闘中に氷漬けに
2016年には、ウナラクリートの先生と生徒が、驚くような発見をしました。ふたりは、二匹のムースが、角をお互いぶつけ合った状態で氷の中に閉じ込められていたのを見つけたのです。ブラッド・ウエブスター先生の見解では、一匹のムースが倒されて、もう一匹を引きずっていたのではと考察しています。
そのムースを発見した後に、ふたりのアラスカ先住民が、大人と戻ってきて、そのムースを氷から取り出したそうです。ウエブスター先生によると、アイスピックとチェインソーを使った、いわゆる原始的な方法で、犬用の餌として肉を切り出し、凍った頭は、ウエブスター先生の庭に置いているそうです。
食事中の魚が氷漬け
ある二人の兄弟が、インディアナ州北部にあるワワシー湖で、一匹の凍った魚を見つけたそうです。普通なら、凍った魚ぐらいでヘッドラインになんてのりませんよね。でも、このサンマは、もう一匹の魚を食べようとしている状態で凍っていたのです。その兄弟によると、そのサンマは、35センチはあるバスを飲み込んでいる途中だったそうです。
その真偽性を証明するために、兄弟は、その魚を氷から取り出したのです。中には、そのサンマは、バスを食べようとして、のどに詰まったんだろうと思う人もいるかもしれませんが、まぁ、どちらにしろ、魚が何かをしている状態で凍るということ自体すごいですよね。
一万年前の槍
2015年に、雪解けの終わったイエローストーン国立公園で、古代の武器が発見されました。その武器は、槍のような形をしていて、白樺の木で作られたものでした。凍った発掘物を専門としている考古学者のクレッグ・リーさんによると、その槍は、推定1万3百年前に作られたものだそうです。
リーさんによると、その槍は、完全な槍と言うよりは、投げやりのようなものらしく、特に、猟師によって作られた、槍を遠くに飛ばす道具であるアトラトルだったようです。これだけが、考古学者がイエローストーンの氷の中から見つけたものではなく、過去にも、食器や、動物の死骸なども掘り出されているのです。
生きているカエル
毎年9月になると、アラスカでは、アメリカアカカエルが、わざと氷浸けになるのです。体の3分の2は、完全に凍っていて、持ち上げると、全く動きません。心臓も完全に停止して、血液循環も止まります。大学院生のダン・ラーセンさんによると、"まさに死んでいる状態"なのだそうです。
それでも、7か月後には、また起きだして跳ねていくのです。いわゆる冬眠状態なわけですが、完全に死んでもいるのです。科学者は、今でもこのカエルが、どうやってこのような厳しい状況下で生き残れるのか研究が行われています。ここでご紹介している中でも、この凍ったアメリカアカカエルは、確実にアラスカで毎年見ることができますよ。
3000メートルの山脈
南極大陸にある山脈は、わずか50年ほどしか知られていません。どうしてかって?それは、その山脈が、氷の下、約1.6キロも下に埋まっているからです。ガンブルツェフ山脈は、高さが3000メートルで、横幅が230メートルもあるにもかかわらず、氷の下に埋まっているのです。科学者によると、その大きさは、ヨーロッパアルプスと匹敵するほどらしいのです。
2000年には、科学者たちは、最新の画像解析を駆使して、その山脈の状態をとらえることができました。ガンブルツェフ山脈は、アルプス山脈に似ているようですが、磁気異常などからもわかるように、十億年以上も前の岩で形成されているようです。おそらく、その氷の下には、もっと驚かされるようなことも眠っていてもおかしくありませんね。
未開の生物で埋め尽くされた湖
2012年に、ロシアの科学者たちが、氷の下にあるものを探るために掘削を開始しました。すると氷の大地の約3キロほど下に、氷底湖を見つけたのです。理論的に考えると、ボストーク湖は淡水湖で、存在するはずがないのです。科学者たちが、湖のサンプルを回収し、調べてみると、なんと今まで発見されたことがなかった微生物が見つかったのです。
また、2015年と2016年にも、同様な調査が行われ、その両方の調査でも、新種の微生物が発見されています。ボストーク湖は、南極大陸の他の400を超える淡水湖の中でも、際立っており、40万年も前に形成されたと推定され、未開の生物が生息している場所なのです。
何百匹もの絶滅したイナゴ
グラスホッパー氷河は、モンタナ州のコーク・シティーの郊外から1.6キロ離れたところにあって、名前の由来は、現在のバッタから来ているのではありません。その代わり、その氷河が、何世紀も前に氷漬けになったイナゴが何百万匹もいるのです。つまりは、そのイナゴは、100年以上も前に絶滅してしまったのです。
その大量の虫により、グラスホッパー氷河は、氷の大地というよりは、象の皮のような色をしています。それでも、毎年7月から9月の間には、多くの観光客がハイキングを楽しみに訪れています。グラスホッパー氷河は、地球温暖化の影響で、かなりの部分が溶け出してきていますが、科学者たちは、今でもその絶滅した虫を研究しています。
恐竜時代のフィッシュリザードの群れ
2014年に、チリの南西部にある、解けだしかかっている氷河で、恐竜の墓場が見つかったのです。科学者たちは、そこで46匹ものイクシアソーを発見しました。イクシアソーとは、ギリシャ語で、リザードフィッシュと言う意味で、この巨大な水性爬虫類は、体長約5メートルほどで、中生代に生息していたようです。
科学者によると、大人と卵のイクシアソーは、土砂崩れに巻き込まれて亡くなったようで、体は、魚雷のような形をしていて、垂直に足ひれが付いており、またイルカのような鼻と歯を持っていました。化石の発掘作業は、やっと半分終了した状態で、科学者たちも、車で現場に向かい、更に12時間雪の中をハイクしてやっと、発掘して研究を行えるのです。
感染したトナカイ
2016年に、シベリア西部でヒートウエーブが猛威を振るい、かなり古いトナカイの群れが氷の中から現れました。そのトナカイは、約75年前に死んでいて、炭疽菌と呼ばれる細菌病も持っていました。その結果、1200頭もの現在のトナカイや、少なくとも40人以上の人々が、この氷の下で眠っていた細菌により感染症を患ってしまったのです。
WHOによると、炭疽菌は、致死率の高い細菌ですが、現在では抗生物質で完治するそうです。氷漬けだったトナカイによる炭疽菌の感染は、まず1941年に起こり、ヒートウエーブによって更に感染を拡大させたのです。
古代のチュニック
地球温暖化の影響もあって、ノルウエーのオプランドにある氷山が解け始め、2000以上もの昔の遺跡物が発見されたのです。その中でも、特に注目を集めたのは、西暦230年から390年代に使用されたであろうチュニックです。それは、古代の馬の排泄物を丸めて捨てられたものでした。
科学者によると、それは石器時代にまで遡ると推定されており、当時の人類は、遊牧生活をしていて、明らかに、ものを残して去っていくことに躊躇いもなかったのでしょう。その他に見つかったものとしては、手袋、馬蹄、そして矢などがありました。この山には、もっといろいろのものがきっと眠っているはずですね。
3万2千年前のタネ
実は、科学者たちは、3万2千年前のタネを使って植物を育てようとしていることを、あなたは、知っていましたか?このタネは、シベリアのコリマ川で凍っていたものなのです。科学者の見解では、このタネは、氷河期のリスによって、永久凍土の下38メートルの所に埋められたとみています。
これまで6万から8万個のタネが見つかっており、そのほとんどが傷ついていたのですが、科学者の努力で、培養皿の中で発芽したものもあるのです。その中から、36個のスガワラビランジや、ナツメヤシが成長したのです。それらは、事実上、現世に蘇った最も古い植物なのです。
墜落した飛行機の中に、3000万円相当の宝石が。
もしこの話が、BBCニュースで報道されていなかったら、きっとデマだと思うことでしょうね。2013年に、匿名の登山家が、フランスで最も標高の高いとされているモンブランの頂上へ到達しました。その登山家は、登山途中で、なんと100以上ものエメラルドを積んでいたボーイング707を見つけたのです。
その飛行機は、1966年に墜落し、117人の乗客乗員が亡くなっています。もちろん救出活動も行われたのですが、現在まで何も見つかっていなかったのです。その残骸の中には、ルビー、エメラルド、そしてサファイアなどの宝石が詰まった小さな袋も氷の上に投げ捨てられていたのです。その宝石の総額は、日本円にして約3千万円にはのぼる価値があったのです。
失敗に終わった探索の写真
2013年に、自然保護活動家により、南極大陸の廃墟と化した小屋の探索が始まりました。その中の小屋の一つに、氷で覆われていて、施錠された箱が見つかりました。その中には、100年以上も前の写真が残っていたのです。その写真は白黒写真で、もっとも不名誉な探索であったロス海支隊の一行を映し出していました。
ロス海支隊は、1913年に南極大陸へ向かったのですが、9か月もの間、氷上で足止めを食らったのです。船員たちも沈没する前に、船を見捨て、その後の13か月を、4月にエレファント島に着くまでずっと、吹雪の中を彷徨っていたのです。見つかった22枚の写真で、その探索の様子をうかがうことができたのです。
犠牲となったインカのミイラ
1995年に、ペールー南部にあるアンパト山で、凍ったミイラが見つかったのです。その女性は、とても良い状態で保存されていて、髪の毛にはシラミまで残っていたのです。そのミイラの女性は、火山の噴火により、埋葬されていた場所から転げ落ちた状態で見つかり、ワニータと名付けらました。彼女のすごい話により、彼女は一気に有名になったのです。
1450年代ごろ、当時12歳であったワニータは、神にその身を捧げられたのです。家族にとって、自分たちの娘が神に捧げられるのは、とても名誉なことだったのです。ワニータは、ベストを着せられ、小さなラマのような儀式に使うようなアイテムと一緒に埋葬されていました。
天然痘にかかっていた人々
2016年にシベリアの凍っていたツンドラが解け始めたころ、近隣の住民たちはエピデミックを恐れていました。そこには、120年前に天然痘で亡くなった120人もの人の死体が氷の下に埋まっていたからです。当時は、天然痘にかかった人の30%は亡くなっており、その死体は、コリマ川のふちに埋められ、病気とともに氷の中に葬られたのです。
氷が解けることで、浸食の過程が早まり、防護服を着用した科学者たちは、その死体を調べたのです。死体には、生きた病気はなかったものの、死体のDNA内に、天然痘を確認したのです。運よく、科学者たちは、その死体を隔離していたので、天然痘が広がることはありませんでした。
先史時代の寄生虫(現世に戻ってきた線虫)
シベリアで永久凍土が解けることで、4万2千年間凍っていた寄生虫が動き始めたのです。この線虫と呼ばれる微細な寄生虫は、長さがわずが1ミリ程度なのです。現存するこういった寄生虫は、地上から約1.6キロ付近に生息していますが、これらの先史時代の寄生虫を蘇らせようと、科学者たちは努力しているのです。
すべての寄生虫は、メスで、古いリスの巣とか、コリマ川から掘り出されたものなのです。2018年に、噂では、科学者によって、寄生虫が解凍されて、現代に戻ってきたとされています。それにより、この寄生虫が、最も長い間凍っていた状態から生存した動物となります。
絶滅したライオンの子供
5万年前に亡くなったライオンの子供の遺体が、とてもいい状態で保存されているのが発見されました。シベリアタイムズによると、ロシアの科学者が、ティレクティカ川の淵で、凍った先史時代のライオンが見つかったと発表しました。調査によると、そのライオンの子供は、年齢が、1から2か月程度と見積もられ、まだ目も開けていない状態だったようです。
このライオンの子供は、驚くほど良い状態で保存されてていて、スパータックと名付けられました。それだけではくて、実は、前の年にも、たった15メートル離れたところで、ボリスと名付けられたライオンの子供も見つかっていたのです。専門家によれば、このライオンの子供たちは、氷河期に生息していた家族だった考えられています。
巨大なクレーター
2019年に、NASAの科学者達は、グリーンランドにある氷河の1.6キロほど離れた場所で、巨大なクレーターを発見しました。専門家によると、このクレーターは、2度の隕石の衝突(セカンドインパクト)により形成されたものだと考えられています。奇妙なことに、この35キロほどのクレーターは、もう一つの埋まったクレーターのすぐそばにあったのです。このクレーターは、隕石の衝突でできたクレーターの中で、氷に覆われたものとしては、2番目の発見となります。
NASAの調査によると、このクレーターは、地球上で発見されたものとしては、22番目に大きな衝撃だったと考えられています。この二つのクレーターが発見される以前までは、すべての衝撃は、氷が覆い被さることで浸食されたと考えていました。それが実は、氷により、他のもの同様に、クレーターの状態を保存していたこともわかったのです。