多くの両親は、学校側から、子供にどのようなお弁当を持たせるべきか意見されることを好ましく思っていません。何故なら、このタイプの規則は、時に度を超える事があるからです。コロラド州では、母親が娘にとって健康的だと思って持たせたお弁当が、大論争を引き起こしました。その問題は、栄養・健康・教師の懸念点・両親の管理方法などに様々なことまで議論が発展し、展開されました。大人の事情によって、引き起こされたこの問題ですが、この問題が決して、子供が空腹のまま学校から帰宅させる理由になるなんてこと、あってはならないのです・・
空腹のまま帰ってくる娘
リーザ・ピアソンにとっての毎日は、娘が空腹で学校から帰ってくるまで、平凡なものでした。娘の為に用意していたお弁当が問題になったことを知った後、他の両親同様、その心配は、大きくなりました。
この苦境に困惑しながら、娘の弁当箱を開けると、中に小さなメモが入っていることを見つけました。そして、このメモを読んだ後、彼女の不安は更に拡大しました。何故、このような事が起こらなければならないの?
コロラド州には、興味深い習慣がある
リーザと彼女の家族は、コロラド州オーロラに自宅があります。この都市では、通常人々のことを敬い、失礼な態度をとられるなどの心配をする必要がありません。ここは、特にお互いのことを尊重し、受け入れる文化で成り立っているからです。
だからこそリーザは、オーロラ市の子供アカデミースタッフによる、自分と娘への扱いに、とても困惑し、取り乱したのです。アカデミーは、少々やりすぎな、親ならば受け入れられないようなことをしたのです。
競争社会
リーザは当然のように、幼い自分の子供、ナタリーにとって、一番いい状況を望んでいました。彼女の育っていた環境は、競争社会である事が著しく、だからこそ幼い頃から、子供をキッズアカデミーに入れることは、正解だと思っていました。そして、アカデミーへの入学が決まった時は、夢が叶ったような気分でした。
しかし残念ながら、この事態はリーザにとって悪夢へと変わります。とある朝、ストレスで今にも爆発しそうになったリーザは、娘用のお弁当箱を持って、アカデミーでは考えられないような、”あること”をしました。ストレスというのは、人々が普段はしないような衝動的な行動にはしらせてしまう可能性があります。
人気のプレスクール
The Children's Academy & Childcare Center は、一度に最大150人の子供を収容できるプレミアのついている学校です。多くの親がここに子供を入学させるのは、小学校に入る準備以上のことを学ばせたいという思いからです。
そして、リーザもその思いは同じです。ナタリーをこのアカデミーに入れたのも、リーザのその強い思いがあったからこそなのです。学校に入れることを悪いことだなんて、どの両親も決して思わないでしょうし、有無言わさず学校に通わせるでしょう。しかし、それは悪い子育ての例にもなりうるのです。
生活はそんなに悪い物でもなかった
時に、人々は人生の全てがうまくいくようなポイントに達する事があります。リーザは、子供の学位取得に向けて一歩リードし、誰もが切望とするプレスクールで、ナタリーは普通の子供達の平均よりも良い成績を収めていました。
その人生は、リーザに不満を言う余地を与えませんでした。その時の気持ちといったら素晴らしいの一言に尽きます。しかし、自体は一転しようとしていました。だからこそ、人々は人生を100%いつまでも完璧に楽しむ事が難しいのです。何故なら、いつそのうまくいってた物事に変化が現れるのか予測できないからです。
忘れられない日
当初、学校はリーザに文句を言われるようなことは何もしていませんでした。学校の終わりが近づいていた時も、リーザと幼稚園の関係は良好でした。しかし、物事は最後でひっくり返るのです。
リーザとその夫のネイトは、とあるその日まで、公に苦情を言うことは。決してありませんでした。物事が180度変わったのは、とある金曜日のことでした。金曜日は、週の中でも最高の日のはずでした。しかし、人生はリーザに試練を与えたのです。
母親としての忙しい生活
人生は、常に忙しいこともありますが、幼い子供が人生に加わると、更に忙しくなります。それは、ナタリーのお弁当に入れるフルーツや野菜が、冷蔵庫になかったことに気づかなかったリーザにも当てはまります。
リーザは、いつものようにお弁当を詰めましたが、その日だけは、健康的な自然食が含まれていませんでした。しかし、この過ちが後の大きな問題に繋がったのです。これは、決してリーザのせいではありません。
少しだけ甘いものを
野菜とフルーツをお弁当に入れられなかった日、リーザは健康にあまり良くない加工食品をお弁当に追加することにしました。ナタリーのお弁当袋に、子供たちが普段、親の監視外では食べられない、オレオを入れたのです。
更にリーザは、ハムとサンドイッチと、ひも状のチーズ(日本でいうさけるチーズ)を入れて、お弁当を完成させたと言います。その日以外は、今まで野菜や果物を入れていたとリーザは主張していますが、その日は、違ったのです。
オレオはそんなにダメなの?
オレオは、そんなに悪いものなのでしょうか?学校の理念に十分に反するほど不快なものなのでしょうか?確かに、現在の社会では、不健康な食品の一つであるかもしれません。それは、健康に良くないとされる添加物が多く含まれたものであるからでしょう。
一度にたくさん、毎日食べると、糖尿病や心臓病を簡単に引き起こす可能性があります。学校側がナタリーにしたことを考えると、きっと先生たちは、この考えが強かったに違いありません。
空腹にさせる
ナタリーは、その日もいつもと同じように、幼稚園から家に帰りましたが、その日は、リーザに不満をこぼしたのです。その金曜日、ナタリーにお弁当を持たせたにも関わらず、彼女は、まだお腹が空いていると訴えました。
その瞬間、リーザはお弁当袋の中を探し、オレオクッキーの横に添えられたメモを見つけました。そのメモを読むと、ナタリーは、オレオを食べられなかっただけでない事がわかり、事態の悪さに、一気に不安になりました。
失礼な手紙
彼女の読んだメモには、要するにあなたがいい親になるのにどうしたらいいのか、子供に対して全責任があるというような内容でした。
手紙には、こう書いてありました。「親愛なる親御さんへ、全ての生徒が、お弁当から必要な栄養素を摂取することは、とても重要です。ここは、公立の学校であり、全ての子供には果物や野菜、そして健康的なおやつと牛乳が必要です。もし、じゃがいもがあれば、子供にはそれと一緒に、パンも必要になります。」
メモをインターネット上で公開
リーザは、こんな理由で子供を空腹の状態で、家に帰さなくてはならなかったことに腹を立て、大胆にもその手紙をインターネット上で公開しました。彼女は、学校が幼い少女に何をしたのか、この出来事を人々に知ってもらう必要があると思ったのです。
手紙の後半には、「お弁当には、チップスやフルーツ味のスナック、ピーナツバターのパンなどは健康的な食事とみなしません。」と記載されていました。親に学校側が助言することは、必要な事の一つですが、空腹の状態で子供を家に返すのは、また違う話です。
怒りがこみ上げる
この写真を挙げた直後、多くの親からリーザをサポートするコメントが寄せられました。子供にとって愛する親を、幼稚園側がそのように叱るのは、いかがなものかと思いませんか?
「何年も連絡を取っていなかった友人達から、多くの怒りの声が寄せられているところです。」とリーザは語りました。彼女はまた、ある一人の友人が、この一連の出来事を”馬鹿げている”と言ったことについても言及しました。
肥満への影響
今日、人々はこれまで以上に、自分の体内が吸収・摂取するものに対して投資するようになりました。この20年間で、肥満の子供達が大幅に増加したことを考慮すると、学校は言わざるを得なかったのです。学校側は、”ナタリーを救おう”としていたのです。
最近では、肥満予防を支援するために、人々は様々な措置を講じています。過去には、それ程多くの肥満患者がいませんでしたが、今の時代は一変しています。The Aurora Children's Academy は、おそらくまだ幼いナタリーにその危険性の注意喚起をしたかったのでしょう。
健康的な食品を重要視
アカデミーは、一人の生徒に当てはまることが、最適だと思うことをしていました。”ハンバーガーなしで子供を育てよう”、みたいな運動もおそらくこの種の行動に入ります。
リーザは、アカデミーがしたことに対して、攻撃的だと思われるかもしれませんが、それが彼女なりの応答方法であり、ニュースにするだけの価値はあったのです。私たちは、彼女のしたことは、少々行き過ぎだと議論することはできますが、彼女の娘のことを考えると、学校側も子供を空腹のまま家に帰すことが、最善の方法であったとは思えません。
世間一般の教育
「定期的に健康的な食事をしている学生は、疲れにくく、授業に集中し、より多くの情報をインプットすることが出来ます」と、NYU経済学および教育政策准教授のSean Patrick Corcoran氏は述べています。
そのアカデミーは、子供たちが高度な教育を受けられる場所です。 健康ではない食べ物を昼食に入れることは、これと逆効果になる可能性があり、研究もそれだけのことを証明しています。 こう聞くと、ナタリーは全く健康的な食事をしていなかったように聞こえます。
どんな親もこんなこと聞きたくない
それが相手に求められているかどうかに関わらず、親なら、自分の食生活の選択が子供に毒を与えている典型的な例である、と学校側から告げられることを望んでいなかったのです。でも、それが実際にリーザには、起こってしまったので、彼女の感情がどんなものなのかは想像がつきます。
学校側がしたことは、遠回しにリーザのことを”悪い母親だ”と言っているようなものでした。そのようなことを言われては、今までの育て方が全部間違っていたのかと思い、これからの育て方を悩んでは、夜もなかなか寝付けません。
恥ずかしく感じる
リーザが、このことをメディアについて話す機会が訪れた時、彼女は自身の胸の内を語りました。彼女は、「最も強く感じたのは、学校側のしたことは、子供に健康的な食事を促すことではなく、ただ親を吊るし上げて、その問題を必要以上におおごとであるかのようにした事です。」と彼女は言います。
更にリーザは、このちょっとした失敗に「とても恥ずかしい思いをした」と言い、「アカデミーが、彼女の娘に何も食べさせなかったのは、間違っていると思う」と続けました。この意見には、多くの人が賛同する事でしょう。
境界線を越えてしまった
リーザは、学校側がナタリーに何を食べさせるべきか伝えると決めた時、それは私たちの境界線を越えたと感じた、といいました。これは子供の親であれば、十分あり得る感情かもしれません。
「学校側がナタリーにとって、健康だと思うことは、私が彼女にとって健康だと思うものではない」とリーザは言いました。 「ナタリーは、彼女が食べたいものを、今は食べる必要があります。そして、それを判断するのは、私や彼女自身、そして医者であり、学校ではありません。」
肥満の兆候は見られない
早期予防が必要なのは、事実です。しかし、リーザはそのように思っていなかったかもしれません。もちろん、ナタリーが毎日一万円を、炭酸飲料やホットドッグに費やしていたら、それはまた違う話ですが、そうではなかったのです。まだ、それらの物に懸念を示す時ではなかったのです。
実際、彼女はスレンダーで活発な幼い少女でした。それが事実としてあったが故に、この事件は、全体の状況を悪化させました。アカデミーが、根本的に伝えようとしていたことは何だったのでしょうか?
彼女のスタンスを守る
懸念されている事を覆すだけの事実があれば、その意見はより強くなります。ナタリーは、肥満とは真逆だった為、その事実がよりリーザの意見を擁護する人が増えていった理由です。
「私は、クラス全体にクッキーをあげていた訳でもなければ、ナタリーのランチがクッキーのみだった訳でもなかったわ。」とリーザは言いました。彼女の主張は、クラス全体を巻き込んでいなかった点は評価されましたが、大事なのは、クラスの話ではなくナタリー自身にあったのです。
彼らは、偽善者ですか?
意見をより説得力のあるものにする為に、リーザは非常に興味深い反論をしました。それは、過去に学校側が、子供達にお菓子を与えていたという事を話したことです。この行動は、学校側の偽善行為に値するといったのです。その意見は、よく考えると少し違うと感じもします。
「彼らは私に、自分の娘に何を食べさせるか決めることは許されないと言いますが、彼らは時々、子供達にジャンクフードを与えているわ。」とリーザは、ABCニュースのインタビューに答えました。これは、メディアの注意を引くには、賢いアイディアでした。
彼女の信じた道に突き進む
ナタリーは、全くもって肥満などではありませんでしたが、彼女は、オレオを食べることが大好きでした。 この事件がエスカレートし始めても、リーザは、自分のスタンスを維持し続け、娘にチョコレートの良さを教える、という自分の意見を大事にしました。
「私たちは毎日ジャンクフードを与えるような親ではありません」と彼女はインタビューで語ります。 「彼女は、健康的なお弁当を食べています。しかし、その日は金曜日でした!特別なご褒美くらいあげても良くありませんか?」 それは、彼女の立場を守る最後の砦でした。
学校給食の評判は、通常良くない
それは、子育てに対する批判ではなく、学校で提供される食事にあまりいい評判がない、という事を歴史的に知っている組織からの助言でした。学校給食の事を思い出した時、多くの人があまりいい記憶がないことがその事実を物語っているでしょう。
学校給食が、なぜそのような否定的な評価ばっかりなのかは未だに謎ですが、肉はゴムのような味がし、食感も嫌なものが多いのは事実です。また、先生たちも生徒に飴を配ったりすることがあるのは本当でした。
規則にはない
ブレンダ・ディーンは、この問題が起きた時、The Children's Academyのディレクターでした。通常、ディレクターは、校内の運用方法を完璧に把握しており、ディーンもそのうちの一人でした。
この問題を更に調査したディーンは、ある結論に達しました。メモの内容は、学校の規則には則しておらず、ナタリーは、空腹の状態で学校から帰されるべきではなかったと言いました。この情報は、リーザの事を考えると、彼女を安堵させるものになるでしょう。
お弁当を無駄にした
あなたは、想像できるだろうか。小さい子供の前で、彼らのお弁当がゴミ箱に捨てられる状況を。決して、これは透明性を保つために有効な方法ではありません。しかし、実はこの事件で、ナタリーから食べ物を奪った人は、誰もいなかったのです。
ナタリーは、友人たちが遊んでいる間、お腹が空いたまま放置されていた訳ではありませんでした。この事件が大きくなればなるほど、全ての真実が明らかになってきました。だから、誤った結論に移る前に、全ての事実関係を知ることが重要になってきます。
真実が解明され始める
オーロラ公立学校のチーフ・コミュニケーション・オフィサーパティ・ムーンは、この事件について興味深い言葉を口にしました。ムーンは、学校は親たちに健康的な食事の管理について最新の状態に保ちたいと思っていたが、その行為は罰されるべきことではないと話しました。
ムーンは、「学校側はナタリーをがっかりさせない為にも、彼女に別の選択肢を提供した」と情報を追加しました。彼女を空腹の状態で帰らせないように、別のおやつを食べる選択肢を与えていたのです。
問題は解決した?
今、改めてこのトラブルの一連の流れを振り返ってみると、どうやらナタリーは、学校側から提供された代わりのおやつを、”食べない”という頑固な姿勢を、自ら見せたのではないか?
もちろん、あなたはそのように捉えることも可能ですが、逆の立場にもなって考えてみましょう。ナタリーが、他の子供達がお昼の時間を楽しんでいる中、何も食べずにじっとしているという信念は、なんだったのでしょうか?そこまでするほどの意味が、彼女にはあったのでしょうか?
学校はどこで成り立ってるのか?
この事件が始まった直後、リーザと学校は、決して和解できないような雰囲気を醸し出していました。しかし、少し余分な時間をかかったものの、両者は再び修復していきました。
ナタリーが小学校に入学すると、両者の間にあった緊張の糸はやっとほぐれました。おそらく、どちらももう週5日、顔を見合わせる必要がなくなったからというのもあるでしょう。この一件から、親と学校の双方が、一体どんな事を教訓として学んだのか気になります。
前に進む
全てが一件落着となった時、学校側は、規則を今一度見直し、両親に誤解を招くようなメモをもう過程に送ることはしないでしょう。激しいリーザからの反発の後、学校はこれを教訓として学んだでしょう。
ナタリーは、最終的に小学校を問題なく卒業しました。この問題を通して、親側の立場で考えると、常に子供が何を摂取するべきか良く考える必要がある、ということを改めて考えるいい機会となったでしょう。あなたも、もしあなたの最愛の両親に何か伝える時、伝え方は気をつけなければいけませんね。