科学はここ100年の間に飛躍的に発展した。抗生物質とワクチンが使われるようになってから、我々はより健康に過ごせるようになったと言える。だが最近、ちょっとした不調や問題を治そうとして、すぐに化学物質で作られた薬に頼ってしまっていないだろうか。
虫刺されや頭皮のふけ、風邪などのような一般的な症状を何とかしたいときには、すでに家に常備されているものを使うことができる。これからご紹介する家庭療法は、おばあちゃんの知恵とも言えるものだが、効果があるものばかりだ。
ニキビ治療には歯磨き粉を使おう
ひどくニキビに悩まされている10代の若者であれば、この家庭療法を試したことがあるだろう。そして、そう、これは実際に効く。ニキビの上に少量の歯磨き粉を置いたら、数時間してから冷たい水で洗い流すだけだ。
歯磨き粉によってニキビの余分な脂分が乾き、トリクロサンと過酸化水素がばい菌を殺してくれる。
いぼや皮膚のたるみは粘着テープで
粘着テープを貼ってからビリっと剝がして、いぼや皮膚のたるみを落とすわけではない。どういうわけか、粘着テープには自然といぼをなくしてくれる性質があるようだ。粘着テープを小さく切っていぼの上に貼り、たとえシャワーを浴びるときにもずっとつけたままにしておこう。そして、自然と剥がれ落ちるのを待つだけだ。
これを何回か繰り返すと、3回目か4回目に粘着テープが自然と剝がれ落ちるときに、いぼや皮膚のたるみもなくなっている。
重曹とレモン汁で歯のホワイトニングを
クレスト社が歯のホワイトニング製品を発売し始める前、歯を白くする方法として重曹とレモン汁を混ぜてペースト状にしたものが使われていた。
このペーストを歯につけて数分間置いておくだけだ。ただし、長い時間塗ったまま置いておくと、歯の表面のエナメル質に悪いので、数分間のみにすることが肝要だ。これを何度か繰り返すうちに、見違えるように歯が白くなる。
胸焼けは重曹で手軽に治そう
胸焼けしたことがなければ、実際に体がどれほどの痛みを感じているか分からないだろう。「痛み止め」薬は数多く出回っているが、最も手軽なのは小さじ1杯の重曹をコップ1杯の水に溶かして飲むことだ。
もちろん、美味しくないに決まっている。だが、文字通り、胸焼けで焼けつくような感じだったのに、冷水を浴びせたようにスッとすることだろう。
風邪をひいたら玉ねぎを切って足に一晩くっつけておく
生の玉ねぎをスライスして足にくっつけ、その上から靴下を履いて一晩寝ると風邪が治る、というのは何だか迷信じみた話だが、実際によく効く。
というのも、玉ねぎが風邪の原因ともなる体の毒素を吸収してくれるのだ。これは風邪をひきそうなときの風邪予防にもなると言われている。
切り傷には瞬間接着剤とリップクリームを
こんなのバカげてると思うかもしれない。でも、手足などの切り傷に応急処置が必要なときには瞬間接着剤を使おう!まず傷口をきれいに洗って完全に乾かしたら、瞬間接着剤を使って皮膚を元のようにくっつけよう。
そして清潔なリップクリームを上から塗って、完全に乾ききってしまうのを防いだら、バンドエイドを貼って応急処置は終わり!
チキンスープは科学的にも実証されている家庭療法
風邪をひいたときにチキンスープを食べて体を温めるというのは、誰もが知っている家庭療法だが、これは実証されている。
鶏がらスープにはシステインと呼ばれるアミノ酸が含まれており、これが喉や肺の薄くなった粘膜が元通りになるのを助ける働きをするという。やっぱり、風邪をひいたときには美味しいチキンスープが一番だ。
アスピリン錠剤で頭皮のふけ予防
どの家庭にも頭痛薬や痛み止めとしてアスピリン錠を常備していることだろう。だが、アスピリン錠は頭皮のふけ予防にも使える。アスピリン錠2つを粉々にして、キャップ1杯分のシャンプーと混ぜよう。
それを使って髪を洗ったら、5分ほど置いてからよくすすごう。数週間後には、頭皮からふけが出ないことに気づくだろう。
緊張性頭痛は1本の鉛筆で治る
緊張性頭痛はストレスを感じたときなどに、あごの筋肉が緊張した状態になってしまうことが原因で起こると言われている。そのため、写真のように歯を使って鉛筆を軽くくわえることであごの筋肉を弛緩させ、頭痛を治すことができるという。
一分間ほど、鉛筆を軽くくわえたまま、深呼吸してみよう。そうすれば、すぐに頭痛が和らぐことだろう。
チョコレートで肌をなめらかに
吹き出物が出やすい人にとって、顔にチョコレートを塗るなんてひどく恐ろしいことのように思えるかもしれないが、実はとても効果がある。何も加えられていない純粋なチョコレートを50グラムほど溶かして、大さじ1杯のオリーブオイルと混ぜる。
これを顔に塗って20分間ほど置いておこう。あとはぬるま湯で洗い流せば、肌はなめらかで明るくなっているだろう。
足のタコにはブラック・リコリスを
ブラック・リコリス(甘草の一種の根から作られたグミのような菓子)が好きという人は滅多にいないのだから、どうせなら、他の役立つ用途を見つけた方がいい。真っ黒なリコリスをオイルに浸したら、足にできたタコに塗ってみよう。そしてサランラップなどできつく巻いて、上向きにしたまま8時間置いておく。寝るときにこの処置を試すのが一番だろう。
朝になればタコは柔らかくなっているため、簡単に削って除去してしまうことができる。
スプーン1杯分の砂糖でしゃっくりが止まる
この家庭療法は効果的だが、健康に気をつけている母親などはあまり試したいと思わないかもしれない。スプーン1杯分の砂糖を飲み込むだけで、すぐにしゃっくりを止めることができるのだ。というのも、しゃっくりの原因は横隔膜のけいれんだ。
乾いた砂糖をスプーンで1杯飲み込むと、胃と神経筋が刺激され、その影響で横隔膜のけいれんが止まるという。
乗り物酔いにはオリーブを準備しておこう
もちろん、グラボル(酔い止めの薬)は乗り物酔いに効くかもしれないが、自然療法の方がいいのであればオリーブを食べるといい。オリーブに含まれるタンニンが吐き気を抑え、胃が空っぽで重くなったような感じになるのを助けてくれる。
次回、車でドライブに行くときには、持ち物リストにオリーブ1瓶を追加しておこう。
頭皮を玉ねぎでマッサージして、毛髪の成長を促す
玉ねぎは単なるスーパーフードではなく、その汁にも毛包の成長を刺激する働きがある。新鮮な玉ねぎを半分に切って、玉ねぎの汁が頭皮に染みこむように15分間ほどこすりつけよう。
あとは、刺激の少ないシャンプーで玉ねぎの汁とニオイを洗い流すだけだ。
生姜は消化を助ける
生姜には胃を落ち着かせるという昔の知恵は本当だ。生の生姜は、そのままでもすりおろしでも、吐き気を防いでくれる。
新鮮な生姜をすりおろして紅茶や温かい飲み物の中に入れるのもいいが、ジンジャエールなどのように、生姜がすでに入った飲み物でも同じように効果がある。
ジンに漬けたレーズンで関節炎の症状を緩和させる
この家庭療法は関節炎を患っている人、たとえばおじいちゃんおばあちゃんが試してみるとその効果が分かる。ゴールデンレーズンをジン(ジュニパーベリーを原料に使っているもの)に一晩つけてジンを吸収させたら、毎日10粒ほど食べよう。
これで関節炎が治るわけではないが、症状を緩和してくれるのだという。もしくは、ほろ酔い気分になって痛みが分からなくなるだけかもしれないけれど。
日焼けにはアロエ・ジェルかティーバッグ
アロエベラのジェルは日焼けした後の手当てなどに使われるが、もしもアロエベラのジェルを切らしてしまった場合には、紅茶のティーバッグで代用しよう。ティーバッグを浸した後に冷蔵庫で冷やすだけだ。
紅茶に含まれるタンニンが日焼けの痛みを取り、皮膚が剥けるのを防いでくれる。
クモに嚙まれた痛みにはジャガイモが有効
もし運悪くクモに噛まれてしまったのなら、普通の虫刺されでは効果がないことはご存知の通りだろう。こうした場合、ジャガイモを細かく刻むか、スライスしてガーゼに包み、噛まれた部位にあててかゆみを止めよう。
もちろん、これは噛まれたクモの種類にもよる。毒グモに嚙まれてしまった場合には、ジャガイモを切ったりせずに、すぐにでも病院に行こう。
ツタウルシのかぶれにはバナナの皮を
バナナの皮はツタウルシ(に触ったこと)によってかぶれる湿疹を防ぐことはできないが、それでも痛みやかゆみを抑えることはできる。新鮮なバナナの皮をむいたら、その皮の内側を使おう。
湿疹が出ている部分に皮の内側をこすりつけるだけで、すぐにかゆみが引いていくのが分かるだろう。
腸の掃除にはビートがよく効く
さぁ、ちょっとデリケートな話題、そう、便秘の家庭療法についてご紹介しよう。便秘になる理由はさまざまだが、確実に効くのはビート(甜菜)だ。ビートを蒸して、鍋に残ったビート汁を飲むといい。
魔法のように腸の中をきれいにしてくれるが、舌に残った鮮やかな赤色はなかなか取れないことに注意しよう。
口臭予防にはヨーグルト
テレビなどでは、ヨーグルトが健康にいいと繰り返し言っている。確かにそうかもしれない。プレーンのオーガニック(有機)ヨーグルトには乳酸菌が多く含まれおり、悪玉菌と戦う善玉菌を助ける働きがあると言われている。
毎朝ヨーグルトを食べることで善玉菌を増やせば、口臭の原因ともなる細菌を取り除いてくれる。
虫刺されにも玉ねぎが効く
さて、再び玉ねぎの登場だ。虫刺されがあまりにも酷いときには、かゆみを止めるためなら何でもするぞ、という気持ちになるのだが、玉ねぎの汁に含まれる硫黄化合物はかゆみによく効くのだ。
新鮮な玉ねぎを半分に切ったら、かゆいところにこすりつけよう。
下痢にはスパイスミックスを
一晩中、下痢に苦しんで寝られないことほど辛いものはない。こういう時には、飲めば逆に便秘になってしまう薬を服用せずに、腸を空っぽにして助けてくれる自然療法に頼ろう。
小さじ1杯分のクミンとハチミツ、シナモン、生姜を混ぜてペースト状にしたら、それを飲んで、うまくいくように願おう。注意:スパイスの効果は個人によって異なるため、下痢にはヨーグルトを食べた方がいいという人もいる。
更年期障害にはヤムイモを
40~60代の女性に朗報だ。もし更年期の症状に苦しんでいるのなら、スプーン1杯のヤムイモ(ヤマノイモなど)を食べるようにしよう。アメリカではサツマイモをヤムイモと呼ぶことがあるが、サツマイモとは違うのでご注意を。
ヤムイモにはビタミンCや抗酸化物質が多く含まれ、コレステロールを下げる働きをする。これ1つに更年期障害に効く成分がたくさん含まれている。
アレルギーにはニンニクが効く
酷いアレルギーに悩まされてはいるものの、アレルギーが起こる季節中ずっと薬を飲むのは嫌だというのなら、ニンニクを試してみよう。ニンニクには天然の抗ヒスタミン成分とケルセチンと呼ばれる抗酸化物質が含まれている。
どのようにしてニンニクを摂ってもいい。最も確実な方法は、薄切りにしたり、おしつぶしたりしてクラッカーの上にのせて食べることだ。ただし、食べた後はしっかりと歯を磨こう。
咳止めシロップを手作りしよう
化学物質で作られた薬剤に頼らずに、天然成分を使った咳止めを作りたい?それならパントリーを見てみよう。
少しの水に小さじ1/4杯の粉末生姜と、大さじ1杯のリンゴ酢、小さじ1/4杯の粉末唐辛子、大さじ1杯のハチミツを入れて混ぜよう。これを飲めば、すぐにのどの痛みがなくなるだろう。
風邪をひいたら濡れた靴下を履こう
風邪を治す方法の1つに、足を冷やすという方法がある。お湯に数分間足をつけた後、冷水につけておいた靴下を搾って、それを履いて寝るのだ。
足を冷たくすることで血管が収縮し、風邪と戦う体に栄養を押し上げてくれる。
かゆみのある湿疹にはオートミールバスが良い
乾燥して赤みがかった湿疹ができたときのかゆみときたら、耐えられないほどだ!しかし幸いにも、オートミールバスに入れば治るというおばあちゃんの知恵は本当だ。浴槽にお湯をはり、コロイド状のオートミールを入れたら、オートミールバスの出来上がり。あとはお風呂につかるだけだ。
だが、一時しのぎではなく、長期的にひどい湿疹を治療したいのであれば、皮膚科に行くことをお勧めする。
ばい菌が入って切り傷が膿まないように粉末クローブをかけよう
スパっと開いた切り傷に、粉末クローブ(チョウジ)を少しかけることで感染症を防ぐことができる。デューク大学の研究によると、クローブやクローブオイルにはオイゲノールが多く含まれ、殺菌作用があるだけでなく、痛み止めの効果もあるという。
なるほど、だから(クローブが入っている)ジンジャーブレッドクッキーを食べると幸せな気持ちになるのか…。
足の悪臭にはヴォッカが有効
靴箱を開けるたびに酷いニオイに悩まされるあなたに朗報だ。家族の誰かの足が耐えられないほど臭いのならば、手ぬぐいなどをヴォッカに浸して、足を拭こう。
これには科学的根拠もある。ヴォッカのアルコール度数は高いため、足を臭くするばい菌を殺菌できるのだ。
水ぶくれにはリステリン
誰しも、日を追うごとに痛みが出てくる水ぶくれに悩まされたことはあるだろう。水ぶくれの痛みを和らげ、早く治すのに、リステリンを試してみよう。マウスウォッシュ(うがい薬)として知られるリステリンには強力な殺菌作用がある。
1日3回ほど、コットンをリステリンで湿らせて水ぶくれにちょんちょんとつけよう。じきに乾いて痛みがなくなっていることに気づくだろう。
口内炎にはレモン・バーム
口内炎はヘルペスウイルスが原因だ(STD:性感染症ではない場合に限る)。口内炎は痛いし、口の中だからか、治るまでにかなりかかる。だが、レモン・バームには抗ウイルス性の性質があるため、ヘルペスウイルスの増殖を弱める働きがある。
レモン・バームをうまく使うには、大さじ2~4杯のレモン・バームを沸騰しているお湯に入れて煎じ、冷ましたらコットンに含ませて、口内炎にちょんちょんとつけるといい。これを1日数回やると治りが早い。
足裏マッサージにはテニスボールを
信じられないほど足が痛いのに、ちょっと足をもんでくれる人が周りにいない…。こんな時には、テニスボールの上に足裏をつけてゴロゴロとボールを転がすだけで痛みが和らぐ。テニスボールの代わりにゴルフボールやスープ缶を使うこともできる。
足が悲鳴をあげているなら、水を入れて凍らせたペットボトルを足裏で転がすのも効果的だ。
オリーブオイルで湿疹を抑える
オリーブオイル単体でも湿疹の再発を抑えることができる。というのも、純正のオリーブオイルには抗酸化物質がたっぷり含まれているため、湿疹に関連した炎症を抑える働きがあるのだ。すでに多くの保湿剤成分としてオリーブオイルが含まれているが、オリーブオイルだけを使えば、保湿剤に含まれがちな余分な化学物質について心配しなくてもいい。
およそ6平方センチメートルごとに小さじ1杯のオリーブオイルを塗りこめば、皮膚に必要な水分を閉じ込めてくれる。
植物油で爪を保護
いつもよりも爪が割れやすいと感じるなら、植物油を使って爪の割れを直してみよう。寝る前に手に植物油を塗り、ビニール手袋かラップなどで覆っておこう。
朝目を覚ます頃には、爪がオイルを吸収して不足しがちだった水分が補われていることだろう。ハンドクリームを塗る習慣を身につけるのもいい。
口の中をやけどしたときにはアイスクリームを食べよう
たとえばピザを食べることに興奮しすぎていて、パクっと口に入れた瞬間、まだ熱すぎた、というのは誰もが経験済みだ。熱々のチーズのせいで口蓋(口の中の上側)をやけどすることほど、落ち込むことはない。というのも、そのやけどが治るまで数日間痛みが続くことが分かっているのだから。
一時的に痛みを緩和させるために、アイスクリームやフローズンヨーグルトを食べるといい。口蓋の組織はわずか数ミリメートルの薄さしかないため、やけどしやすく、冷たさも感じやすいのだ。
ストレスを和らげるにはペパーミント味のガムを
(たとえば交通渋滞のように)突然のストレスにさらされたとき、ペパーミントやシナモン味のガムを嚙むことで不安を和らげることができる。NASAが出資したホイーリング・イエズス大学の研究によると、ペパーミント味のガムを噛むことで20%も不安や疲労感が下がったという。
ペパーミントとシナモンにはストレスを減少させて注意力を向上させるばかりか、運転時間を短く感じさせてくれる。
歯を白くするためにリンゴを食べよう
歯をきれいにするために何かを食べるなんて逆効果のように思えるかもしれないが、リンゴは食べることで歯をきれいにしてくれる!リンゴだけでなく、歯ごたえのある果物や野菜はかじることで歯を磨く働きをしてくれる。
ニューヨーク・シティの口腔外科医ジェニファー・ジャボウは「リンゴには歯の着色を溶かしてくれるリンゴ酸も含まれていて、そういった効果も期待できます」と述べている。
尿路感染症の応急処置には重曹水を飲もう
トイレで突然血尿が出るなどして、尿路感染症にかかっていることに気づくことほど気落ちすることはない。尿路感染症になった人は、早く治すために何でもしたい!と思うことだろう。こういったときには、およそ250㏄の水に小さじ1/4杯の重曹を混ぜて飲もう。
病院に行ってきちんと薬を出してもらえるまでの間、毎日この重曹水を飲み続けよう。こうすることで、重曹が膀胱をアルカリ性にし、ばい菌を減少してくれる。
パパイヤでなめらかな肌を手に入れよう
パパイヤにはパパインと呼ばれる酵素が含まれており、皮膚表面の角質を分解してくれる。月に2回程度、洗って皮をむいた大さじ2杯分のパパイヤと、大さじ1杯分のオートミールをフードプロセッサーなどにかける。そのペーストを肌に塗って、10分後に濡れた手ぬぐいなどで拭き取ろう。
こうすることで、柔らかくなめらかな肌触りになり、吹き出物も出にくくなる。